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レポート

2013/3/26

がんナビ読者調査2013から(No.3)

医者とうまくコミュニケーションがとれないという悩みが目立つ

満武里奈=日経メディカル別冊

◆依然として多い高額な治療費への不安や不満

 依然として、患者からのコメントが多かったのは、がん治療にかかる高額な医療費に対する不安と不満だった。「治療を受けたくても、医療費が高く、躊躇する」「高額医療の補助制度があり助かるが、一生涯、限度額を払い続けられない」といった意見が代表的なものだった。
 
 また同様にコメントが多かったのは、がん診療を均てん化してほしいという要望だ。2007年に施行されたがん対策推進基本計画ではがん診療の「均てん化」が掲げられ、成人の5大がん(胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・肝がん)を中心に、全国どの地域に住んでいても標準治療が受けられるように整備が進められた。5年が経過した今、「均てん化はある一定のレベルまで達成された」と感じる患者がいる一方、十分ではないと指摘する意見も複数見受けられた。

「地方在住のがん患者です。最近は地方にいても、大都市の病院と変わりない手術・治療が受けられます。医師の医療技術は上がっていると思うのですが、がん手術後のケア・・・痛みについての専門スタッフや緩和ケア病棟などはまだまだほとんど整備されておらず、そういう面で格差をとても感じます。さらには私の住む県の中でも格差が存在しています。私が通院している病院はペインの専門外来もあり、痛みについても専門知識を持った医師に診てもらえる安心感があります。しかし、別の公立病院でがん治療を受けている義父は、そういう専門外来もないため、痛みを訴えても主治医の外科医師に『我慢しろ』と言われるばかりで何の手も打ってもらえずつらい闘病生活を送っています。義父は私の通院する病院への転院を希望しているものの、今さら転院を受け入れてもらえる可能性も低く、初診の際にそこまで考えが及ばなかったことをとても後悔しています」(50代女性、患者)

◆複数ある治療選択肢を分かりやすく整理して示してほしいという要望も多く

 また、インフォームド・コンセントが定着したことで、患者に対し、がんの治療選択肢を医師が説明することは一般的になった。一方で、その説明を理解しきれずに、提示された選択肢の多さに困惑する患者がいることも自由記述意見から推測された。「どの選択肢を選んだらよいのか分からず、不安を感じながら医師と接していることが多いと感じている」「もう少しわかりやすく整理して選択肢を提示してほしい。そうすれば安心して治療に臨める気がする」といった意見が多かった。

 また、現在のがん診療体制になんらかの不安や不満を感じ、新しいシステムの構築が必要と指摘したり、具体的に提案する読者もいた。

「働きながら治療する場合、職場や家庭により近い医療機関で標準治療を継続できるよう、電子化された『がん治療履歴』がどこでも参照できるようになればいいと思っています。長期間服用の必要がある薬を処方して貰うのに、最初にかかった病院まで出かけていくのは時間の無駄ですし、定期健診もそうです。また、一旦治療が終わったあとでも、トラッキングし、再発の有無の確認や前回の治療、服用薬の履歴など、参照しなければならない情報は山ほどあります。これほど横展開が望まれるデータなのに、未だに病院固有保存で門外不出の感があります」(40代女性、患者)
「標準治療が終了し、ベストサポーティブケアとなった場合、それでも治療を希望される患者さんはたくさんおられます。その時、臨床試験にエントリーを進めるのがベターとされていますが、どこでどのような臨床試験を行っているのか、また、地方に居住していると、距離的にも経済的にも国立がん研究センターやがん研有明病院などで行われている試験には実際エントリーが難しいのが実情です。何か対策が必要だと思います」(40代男性、薬剤師)
「がん患者・家族をサポートする立場ですが、患者・家族の話を聞いていると、本当に患者中心の診療がなされているのだろうか、ほんとうに“家族は第2の患者”ととらえてケアがなされているのだろうかと思うことがあります。医療者の都合で、病院の都合で、制度の都合で、患者・家族が振り回されていることがあると感じています。また、患者・家族自身も、がんについての知識を持たないまま、制度の知識を持たないまま、文句だけ言う人も少なからずいます。一部の人だけが、がん対策を、がんを取り巻く環境をよくしようと頑張るのではなく、誰もが自らのこととして『がん』を考え、より良い、納得のいく、がん診療を受けることができるようしていきたいものです」(60代女性、元看護師、現在NPOスタッフ) 
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