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2013/3/5

知識から実践へ

生活習慣のがん発生リスクを知ろう

宮腰祥子

 その結果、喫煙は多くの部位でがんとの関連が「確実」あるいは「可能性あり」、飲酒についても複数の部位で「確実」という評価になった。

 食品と発がんリスクとの関連についてはまだ十分に研究が進められていないことから、「データ不十分」という評価が多いものの、野菜、果物は肺がん、胃がん、食道がんでがんのリスクを下げる「可能性あり」あるいは「ほぼ確実」という評価になっている。

 これらの評価を踏まえ、WHO、WCRF/AICRなどの海外での指針も加味して、日本人に最も適したがん予防法として提言されたのが、1)喫煙、2)飲酒、3)食事、4)運動、5)体形、6)感染の6項目についてまとめた指針だ。

 この指針は、新しい研究やエビデンスが積み重なるたびに、それらを反映して、アップデートされることが求められるが、2012年2月の段階では次のようなことが推奨されている。

1)喫煙:たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける
たばこを吸っている人は禁煙しましょう。吸わない人も他人のたばこの煙をできるだけ避けましょう。

2)飲酒:飲むなら、節度のある飲酒をする
飲む場合は1日あたりアルコール量に換算して約23g程度まで(日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウィスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度)。飲まない人、飲めない人は無理に飲まない。

3)食事:偏らずバランスよくとる
*塩蔵食品、食塩の摂取は最小限にする。
*果物や野菜不足にならない
*飲食物を熱い状態でとらない

4)身体活動:日常生活を活動的に過ごす
たとえば、ほとんど座って仕事をしている人なら、ほぼ毎日合計60分程度の歩行などの適度な身体活動に加えて、週に1回程度は活発な運動(60分程度の早歩きや30分程度のランニングなど)を加えましょう。

5)体形:適正な範囲に維持する
中高年期男性のBMI〔体重kg/(身長m)2〕で21〜27、中高年期女性では19〜25の範囲内になるように体重を管理する

6)感染:肝炎ウイルス感染検査と適切な措置を
地域の保健所や医療機関で、一度は肝炎ウイルスの検査を受けましょう。感染している場合は専門医に相談しましょう。

 2)の飲酒については、複数の部位でがんとの関連が確実になっているものの「ある程度の飲酒は、むしろ循環器疾患のリスクを低減するというデータもある」(笹月氏)ため、総合的に判断して「節度のある飲酒」という表現で提言されている。

 3)については、食事の中でも日本人にとって重要なのが塩分の摂取量。日本人で最も多い胃がんだけではなく、がん全体のリスクにも関連するという結果が出ているため、食塩は1日あたり男性9g、女性7.5g未満に抑えることが目標値として設定されている。

 6)感染症については、感染は喫煙と並んでがんの原因として重要であるという位置づけがされている。子宮頸がんに対するヒトパピローマウイルス(HPV)や胃がんに対するヘリコバクターピロリ菌などもがんとの関連が示唆されているが、対策が明確となっている肝炎ウイルスについて、検査と感染していた場合の適切な処置を提言している。

 それでは、この指針を守れば、実際にどれくらいがんの発生率が下がるのだろうか?

 血液データがないと感染状態がわからないため、6)感染以外の5つの項目について、「それを守っているとどのくらいリスクが下がっているのか」を検証した結果、5つの習慣のうち、守っている項目が多ければ多いほど、がんのリスクが段階的に下がっていくことが確認されている。

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