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レポート

2012/12/18

医療者、ボランティア、患者自身それぞれの立場から見た東日本大震災

災害時にもがん治療を中断しない――大きな役目を果たすがん診療相談室

増谷彩=日経メディカル別冊

 2012年12月8日、宮城・仙台の東北大学加齢医学研究所スマート・エイジング国際共同研究センターで、「震災とがん」と題した市民公開講座が開催された。2011年3月の東日本大震災を体験した3名が、医療者、患者、市民ボランティアとそれぞれ異なる立場から「震災とがん その時起きたこと、困ったこと、やるべきこと」のテーマで発表し、災害時のがん治療を中断しないための工夫や、当時の状況などが語られた。なお同講座は、一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクト、リブストロング財団、ジャパンフォーリブストロングが主催した。


 東北大学病院がんセンター特命教授の森隆弘氏は、医療者の立場から、がん医療に関する相談支援や情報提供を行う東北大学病院がん診療相談室が、東日本大震災において果たした役割について発表した。相談支援センターの設置は、地域がん診療連携拠点病院の指定要件となっており、その業務は、がんの病態、標準的治療法など、がん診療およびがんの予防・早期発見などに関する一般的な情報を提供すること、地域の医療機関および医療従事者に関する情報を提供すること、がん医療の連携協力体制の事例に関する情報の収集・提供をすること―などとされている。森氏は、がん診療相談室の本来の目的は、がんの標準的な治療法についての情報を提供すること、相談を受けることなど広報活動と相談受付が重要な業務だと判断している。

 同院のがん診療相談室は、震災発生後2011年3月23日から、在宅がん患者への情報提供活動を開始。被災による治療中断をできる限り抑制する目的で、東北大学病院のホームページのトップに「被災されたがん患者さんへ がん診療相談室と対応可能病院(東北がんネットワーク他)の紹介」というタイトルのリンクを掲載し、情報提供ページへの誘導を実施した。

 情報提供ページでは、がん診療相談室の電話番号と、対応可能な医療機関のリンクを掲載した。3月24日には、地元テレビ局や新聞各紙にがん診療相談室でがん医療に関する相談を受けていることをテロップや紙面で告知するよう依頼。特にテレビテロップの効果は大きく、日にち別の問い合わせ件数を見ると、テレビテロップを流した後は2回とも明らかに増加したという。また、避難所に対しても、がん診療の相談受付連絡先を記載したチラシを配布し、広報活動に努めた。


石巻地区から治療・検査中断についての問い合わせが急増

 実際にがん診療相談室に寄せられた問い合わせ件数を、通院先別に見ると、東北大学病院通院者からの問い合わせ件数が当然14件と最も多かったが、石巻市立病院通院者が13件、石巻日赤病院通院者が10件と、被害の大きかった石巻地区からの問い合わせ件数が顕著に増加していた。

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