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レポート

2012/8/21

乳がん患者向けガイドライン作成小委員会委員長 大野真司氏に聞く

「患者さん自らの意思決定にガイドラインを役立ててほしい」

聞き手:友吉由紀子=日経メディカル別冊編集

 『患者さんのための乳がん診療ガイドライン2012年版』(日本乳癌学会編、金原出版)が3年ぶりに改訂され、6月末に発行された。同ガイドラインの作成小委員会委員長の大野真司氏(国立病院機構九州がんセンター乳腺科)に、今回の改訂のねらいやその内容について話を聞いた。


国立病院機構九州がんセンター乳腺科の大野真司氏

――乳がん患者さん向けのガイドラインは3年ぶりですね。
大野 はい。2006年に『乳がん診療ガイドラインの解説』が患者さん向けに刊行され、2009年の改訂で本格的に患者向けのガイドラインとして作成されました。

 2009年版は60個のQ&Aで成り立っているのですが、これはとても評判がよかったので、今回は、この中の質問から残すもの、省くもの、さらに加えるものを吟味して、最終的に66個の質問を盛り込みました。

――作成委員会のメンバーは?
大野 医師向けの5つのガイドライン(薬物療法、外科療法、放射線療法、疫学・予防、検診・診断)の5人の委員長、そして看護師、薬剤師、患者さん代表のそれぞれから3人ずつ合計9人、さらに心療内科医とソーシャルワーカーが加わって、全部で十数人のメンバーで作成しています。

 Q&Aの原稿はすべて、医師のメンバーが書いた後に患者、薬剤師、看護師のメンバーがチームに分かれて査読を分担し、できるだけ分かりやすい表現に書き直しているのです。私たち医師にとっては当たり前の表現でも、患者さんには分からないということが結構あるんですね。その辺の大幅な修正を患者さんの目線で行っています。

――今回の主な改訂点は?
大野 2011年に医師向けの5冊のガイドラインが改訂され、新しいエビデンスが出てきているので、特に薬物治療については新しい内容が加わっています。

 また、再発のリスクというのを新たに加えました。「どんなものを食べたら乳がんになりにくいのですか」とか、「たばこは発症リスクになりますか」、などといった乳がん発症のリスクについては、前回同様に掲載しています。でも、患者さんが一番知りたいのは、もう乳がんになってしまっているのですから、再発しないようにするにはどうしたらいいかということなんですね。再発に関しては、心のあり方についての質問も加えました。

 もう1つは、「若年者の乳がん」という項目を作った点です。若い患者さんの乳がんも、癌の治療というところでは50歳代以降の乳がんとあんまり大きな差はないんですけれども、ライフスタイルだとか、妊娠、出産、育児といった問題においてはまったく違うわけです。ですから、今回はそうした質問にも対応しました。

 また、自分がどの立場にいるかが一目で分かるように、マインドマップというのを作りました。自分はどの地点に立っているのか、診断がついているところに自分はいるのか、最初の治療なのか、再発癌なのかなど、自分の立場と全体の流れが分かるように工夫しました。自分に必要な質問へすぐに飛ぶことができます。

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