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レポート

2012/7/25

卵巣組織凍結も可能な時代へ

乳がん患者の妊孕性温存治療はどこまで可能か

福島安紀=医療ライター

 6月に熊本市で開かれた日本乳癌学会学術総会では、「乳癌患者に対する妊孕(よう)性(妊娠する能力)温存療法―新しいがん、生殖医療の知見から―」と題したセミナーが開かれた。生殖医療の進んだいま、乳がん治療後の出産はどこまで可能なのか――。聖マリアンナ医科大学産婦人科学講座教授の鈴木直氏に改めて話を伺った。


聖マリアンナ医科大学産婦人科学講座教授の鈴木直氏

 「乳がん治療の後、子供が産めるかどうかは、治療が終わったときの年齢と治療内容によります。化学療法を受けると、年齢と抗がん剤の種類によっては20〜100%の確率で無月経、無排卵症になる恐れがあります。また、治療が終わる年齢を考えると、妊娠・出産の可能性が非常に低いケースも少なくありません」

 婦人科腫瘍の専門医としてがん患者の生殖医療に取り組んできた鈴木氏はそう話す。

 化学療法で無月経、無排卵症を引き起こすリスクが高いのは、シクロホスファミド、メルファランなどのアルキル化剤だ。乳がんの治療によく使われるパクリタキセルなどのタキサン系の抗がん剤は、これまでの研究によると、無月経、無排卵症を引き起こす卵巣毒性はそれほど高くないとされる。

 乳がんの化学療法は複数の抗がん剤を組み合わることが多いが、種類別卵巣毒性の発症率は下の表の通り。例えば、アルキル化剤を含んだCMF(シクロホスファミド、メトトレキサート、5-FU)の卵巣毒性の発症率は40歳未満で30〜80%、40歳以上で60〜96%と高率である。これに対し、AC(ドキソルビシン、シクロホスファミド)では40歳未満13〜30%、40歳以上で57〜63%、と薬の種類と年齢でそのリスクは大きく変わる。

表1 化学療法の種類別・年齢別卵巣毒性(出典:Nat Rev Cancer 2006;6:886)

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