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レポート

2012/7/3

「Meet the Expert がん専門医に訊く もっと知ってほしい小児がんのこと」より

小児がんの最新の治療と今後の課題

福島安紀=医療ライター

 国は、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」などでドラッグラグの解消をしようとしているが、小児がんのように患者数の少ないがんの場合、製薬会社による新規薬剤の開発や承認審査への協力が得られにくい。13cisレチノイン酸の場合は、米国ではニキビの治療薬としてかなり前から使われている薬であり、すでに先発品メーカーが開発を止め、後発品メーカーの薬だけになっているため、承認申請に必要なデータが揃わないといった問題もある。

 質疑応答の中では、神経芽腫で子供を失った母親が、「レチノイン酸がなぜ日本では未承認なのか分からない。自分の娘のように残念な結果になった例も先生方は生かしてほしい」と訴える場面もあった。

小児がん治療施設は集約化へ
 「米国では、エビデンス(科学的根拠)に基づき、保険会社が認めれば、FDAの承認がなくても保険で治療が受けられます。しかし、皆保険制度の日本では、むしろ新規薬剤導入の仕組みが極めて不十分です」。そう話す牧本氏は、NPO法人小児がん開発治療サポートSUCCESSの事務局長も務め、新規治療法の開発・支援も行う。

 一方、牧本氏が講演と質疑応答の中で再三指摘したのは、小児がん治療の病院格差の解消だ。「日本では多くの病院で小児がんをみているので、1年間に1人の小児科医がみるがんの患者数は非常に限られています。再発後に紹介を受けてみている患者さんの中には、初期治療がしっかりされずに再発してしまっている人も多いのです」と、患者・家族の通院費や宿泊施設なども担保した上で、大量化学療法や造血幹細胞移植、手術などの積極的な治療については少数の拠点病院に集約化する必要性を訴えた。

 厚生労働省の「小児がん医療・支援のあり方に関する検討会」(座長=垣添忠生・日本対がん協会会長)では、がん診療連携拠点病院(都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院)とは別に、全国10カ所程度の小児がん拠点病院(仮称)を10月ごろまでに指定する予定で議論が進んでいる。患者数の多い5大がん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)に関しては、どこに住んでいても世界標準の治療が受けられる均てん化を目指してきたが、小児がんについては、集約化という新たな方向性を打ち出した形だ。

 最後に牧本氏は次のようにまとめ、小児がん対策への協力を求めた。「小児がんに対してはいろんな支援方法があります。子供の未来、その一部の小児がんという大きな枠組みでとらえながら、子供にやさしい社会を作るために協力してほしいと思います」。

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