このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

Report レポート

レポート一覧へ

新着一覧へ

レポート

2012/7/3

「Meet the Expert がん専門医に訊く もっと知ってほしい小児がんのこと」より

小児がんの最新の治療と今後の課題

福島安紀=医療ライター

 小児がんは、比較的患者数が少ない希少がんの一つで、治療体制の整備や支援策が遅れがちだ。しかし、6月8日閣議決定された第2期の「がん対策推進基本計画」では、重点課題に「小児へのがん対策の充実」が盛り込まれ、その対策が急ピッチで進もうとしている。「Meet the Expert がん専門医に訊く もっと知ってほしい小児がんのこと」(共催/キャンサーネットジャパン、新産業文化創出研究所、メディアサイト)が、6月16日に東京・秋葉原で開かれ、国立がん研究センター小児腫瘍科科長の牧本敦氏が、小児がんの最新治療と今後の課題について講演した。その模様をレポートする。


国立がん研究センター小児腫瘍科科長の牧本敦氏

 「小児がんは子供の病死原因の1位で、白血病や悪性リンパ腫などの血液のがんから固形がんまで細かく分けると約50種類、大きく分けても12種類に分けられます。最も多いのが小児がんの約20%を占める白血病です。小児白血病は1960年代まで不治の病でしたが、ここ20年ぐらいの間に、最も治りやすいがんの一つになっています」。

 牧本氏は、まず、小児白血病治療の進歩に触れ、白血病細胞を抗がん剤で叩いて寛解(全身状態と検査数値が健康な人とほぼ同じような状態)になった後の治療の重要性を指摘した。治療法は、診断時の年齢や白血病細胞の生物学的特性(遺伝子染色体異常)などによって分類される再発リスクによって層別化されている。

 例えば小児急性リンパ性白血病は、次の予後予測因子で低・標準リスク、中間リスク、高リスクの3つに分けられる。(1)診断時の年齢と白血球、(2)中枢神経浸潤の有無、(3)B細胞型かT細胞型か、(4)白血病細胞のもつ生物学的特性(高2倍体[染色体数>50]、TEL−AML1は予後良好/フィラデルフィア染色体異常、MLL-AF4、低2倍体[染色体数<45] は予後不良)、(5)初期治療の反応性(7日間のプレドニソロン単独治療後も末梢血芽球数>1000/μL、微小残存病変(MRD)があると予後不良)高リスク群の多くには、強力な化学療法に加え、造血幹細胞移植(骨髄移植、臍帯血移植、末梢血幹細胞移植)を実施。フィラデルフィア染色体異常のある人には、新規薬剤のイマチニブを投与するなど、テーラーメードの治療が行われるようになってきている。

図1 小児急性リンパ性白血病の層別化治療

この記事を友達に伝える印刷用ページ