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レポート

2012/4/23

読者アンケート2012に寄せられた「医療側の声」

地域性を活かした均てん化の進展を

まとめ;三和 護=日経メディカル別冊編集

 「もっと腫瘍内科医を増やして」「地元で治療を受けられるように」「がんの均てん化策に地域性の視点を」「予防のための研究を取り上げて」。これらは、医師や薬剤師、大学の研究者や製薬企業関係者の声です。日本政府のがん対策への注文の一方で、がんナビ編集部への要望も数多くいただきました。

 がんナビ読者アンケートでは、読者のニーズをより詳細に把握するために、読者の背景、閲覧頻度、各メニューの利用頻度と評価などについて明らかにしています。調査は、2012年1月17日から2月7日まで、日経BP社のインターネット調査システムAIDAによって実施しました。今回の調査には131人に回答していただきました(プロフィールは末尾に掲載)。以下、アンケートの自由意見欄に寄せられた医師や薬剤師、大学の研究者や製薬企業関係者らの「医療側の声」から、主なものを紹介します。

イラスト:Toshio Nomura

◆もっと腫瘍内科医を
 外科医が片手間で化学療法を行うのではなく、もっと腫瘍内科医を増やして、安全で適切な化学療法が行えるような体制を整える必要があります。薬剤師、看護師のがん診療に対する意識の向上や知識レベルの向上も必要です。(薬剤師、男性、40代)

◆地元で治療を
 患者の専門医志向により自宅から遠い病院に行って、最終的に通えなくなって「がん難民」になるケースがよくある。標準療法の確立しているがん種に関しては地元で治療を受けることを薦めたい。代替療法を否定するつもりはないが、患者の弱みに付け込むような勧誘、高額な医療費を請求するクリニックに通ってしまう患者を減らしたい。(薬剤師、男性、30代)

◆地域性を活かした均てん化の視点
 がん対策基本法で、「がんの均てん化」を目指すための様々な方策が打ち出されましたが、現実には「均てん化」とは程遠い状況にあると思います。それは、冷静になって考えれば当然のことであり、その地域の文化や慣習などの違いに鑑みれば、均てん化の限界があるわけです。
 私は、だからといってがん医療において地域性による不平等を見過ごして良いとは思っていません。ただ、そうした限界を意識して地域の特性を活かした取り組みを支える仕組みが必要だと考えるのです。なぜなら、患者はいつまでも患者ではありません。今や、入院日数も短縮化され、家庭での療養生活の方が比重が高くなっています。そうした時に、地域での支え、地域資源の活用が重要になってくると思うのです。
 がんを体験した生活者が今後ますます増えてくることでしょう。だからこそ、単純に均てん化をキーワードにするのではなく、地域性を活かした均てん化の視点が大切なのです。もっと、草の根的ネットワークに着目した全体構成が必要ではないでしょうか。(大学などの研究者、女性、30代)

◆診療の質に地域格差
 地域により診療の質に格差があり、地方の患者さんには不利益が生じている現状を政府および医師会も再認識し、是正して欲しい。(製薬企業の関係者、男性、40代)

◆どの療法が良いのかを比較できたらいい
 病態によるのでしょうが、どの療法が良いのか、抗がん剤、放射線、ホルモン療法などを比較できる分かりやすいものがあると嬉しいです。(その他の医療関係者、男性、30代)

◆定期検診で何もなかったことが心の支えに
 がんの治療をひとまず終えた後は、定期的な検診を受けることになります。再発の不安を抱える患者さんにとっては定期検診で何もなかったことが、精神的にもとてもうれしいことだと思います。定期検診の要・不要について、医療費の面などから色々な意見が出ているようですが、患者さんにとっては心の支えでもあるので、このあたりのことを色々と取り上げていただけるとありがたく思います。(製薬企業の関係者、女性、40代)

◆予防のための研究を取り上げて
 これから予防のための研究が盛んになると思いますが、日本ではまだ遅れています。ぜひ、海外勢の研究動向を取り上げていただきたい。(医師、男性、50代)

◆がん治療を支える商品の比較情報を
 がん治療は効果を期待できるようになったが、コストも高くなっている。そこで、高額療養費制度もあるが、それを利用するとどうなるのかなど情報があったらと思います。また、がん治療を支える上で、保険会社のがん治療を支える商品の比較などの情報があると良いと思います。(製薬企業の関係者、男性、40代)

◆医療者の「評価項目」とは
 医師の能力を左右する具体的な「評価項目」は何でしょうか? また、どのようにして「治療方法」を決めているのでしょうか? そして、それは、どこの医師であっても同じなのでしょうか? 治療方法に差があるとすれば、その原因は何なのでしょうか? こういうことも取り上げるとよいと思いました。(製薬企業の関係者、男性、50代)

◆日本政府のがん対策の問題点
 日本政府のがん対策に対する取組みの問題点を体系的網羅的に特集して欲しい。政府のがん対策推進室長が日本を離れ米国で研究するという報道があったが、この本質的な問題点を解明し、国民に広く知らせる必要がないのだろうか。(その他、男性、50代)

回答者のプロフィール

・「患者」が48.9%と半数を占める。「元患者」「患者の家族」を合わせると7割強が患者関連の人となる。ほかは、製薬企業の関係者が8.4%、薬剤師が5.3%などと続く。
・性別では、女性が44.3%、男性が54.2%(無回答1.5%)と、男性がやや多くなっている。
・年齢別では、「50〜59歳」が35.1%で最も多く、「40〜49歳」が27.5%、「60〜69歳」が18.3%と続く。「30〜39歳」も11.5%と多い。
・居住地は、「関東」が53.4%と半数以上を占めている。「近畿」が15.3%、「中部」が13.7%、「中国」が5.3%などとなっている。

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