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レポート

2012/3/14

●インタビュー

小児がんから子どもを守るための世界一斉キャンペーンがスタート

中川原 章氏(千葉県がんセンター センター長)

 早期発見のポイントとしては下記の徴候が挙げられます。小児がんに多く見られるのは、白血病、悪性リンパ腫、脳腫瘍、神経芽腫などですが、たとえば「目が白く光る」、「斜視」などは網膜芽細胞腫の典型的な症状ですし、「2週間以上続く頭痛」は脳腫瘍が疑われます。

表1 途上国における小児がん早期発見のためのポイント

日本では小児がん経験者のQOLを高めるための治療の質の向上が課題
 日本では、年間約2500人の子どもたちが新たに小児がんを発症していると推定されていますが、残念ながら100%把握できていないのが現状です。大人のがんも含め、患者登録や長期フォローアップ、臨床試験などのシステム作りが遅れているのです。こうした状況にあっても日本の小児がん治癒率が80%と欧米先進国と同じ高い水準にあるのは、現場の治療や研究にあたっている医療者たちの努力の証しともいえます。

 治癒率が向上した結果、日本には小児がんの経験者が既に10万人近くいるとも言われています。とはいえ、抗がん剤による治療で命は助かったものの、やがて晩期合併症や二次がんを発症するリスクも高く、そのほかにも就職や結婚などで社会的問題を抱える小児がん経験者は多く、これまでは適切なケア、フォローが受けられないまま、個人や家族で対処してきたというのが現状です。小児がん経験者のQOLをさらに高め、彼らがより生きがいを感じられる人生を送れるようにすることが重要です。

 そのためには、拠点病院へ行けば専門医がいて、適切な治療が受けられ、長期フォローアップもできるというようなシームレスな体制作りが求められます。こうした体制整備をしない限り、治療の質を上げることはできません。また、副作用を減らし、晩期合併症や二次がんの発生を軽減するために、抗がん剤の投与量についても検討していく必要があります。質の高い小児がん医療、質の高いフォローアップを目指して、厚労省も拠点病院事業、長期フォローアップ体制作りに動き出しました。

 経済産業省を中心とした、内閣府の国家IT戦略の医療情報化促進事業の一環として、全国の小児がん施設で、小児がん患者の過去の診療データをすべて参照できるデータベースを作る試みも始まっています。小児がん経験者は10年、50年、100年と生きていくのに、カルテ保存期間は5年だけです。このため、晩期合併症や二次がんが出てきても過去のデータが参照できないのです。データベース作りが実現すれば、患者さんの実態の把握につながりますし、患者さん本人が自由に過去の診療データを取り出して、自分のQOLを上げるために活用できるようになります。

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