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2012/2/9

代替医療との付き合い方

小山千穂=チャンゴ・ジャパン

科学は代替医療を差別しない

 石川氏は代替医療を、「大半の医師が受け入れていないが、通常の医療の代わりに用いられる方法」と表現する。具体例としては、ホメオパシー、健康食品、栄養療法、免疫療法、マッサージ、瞑想、祈り、カイロプラクティック、指圧、気功などだ。ただしこれらが最初から全てを否定されるものではない。「科学的に有効性が証明されれば、標準治療にもなり得る。科学は代替医療を差別しない。しかし現時点ではほとんどの代替医療にはプラセボ効果しか想定できず、科学的な検証を拒否している場合すらある」と話した。

 そして、「中には患者の弱みに付け込んで高額な商品を売り付けてくるケースもあるし、マスコミの取り上げ方にも問題がある」と指摘する一方、「医師にも問題はある。あまりの情報量の多さについて行けず、患者の話をゆっくり聞き、思いやり、共感する姿勢になれていない」と石川は続けた。

「健康食品摂取を主治医に伝えない」が6割

 兵庫県立加古川医療センター(当時は県立加古川病院)は、2006年5月〜7月、外来受診の乳がん患者を対象に健康食品の摂取状況についてのアンケート調査を行い、364人から回答を得た。

兵庫県立加古川医療センター薬剤部の大谷祐子氏

 調査に携わった兵庫県立加古川医療センター薬剤部の薬剤師である大谷祐子氏によれば、健康食品を「現在使用している」のは35%、「以前摂取していたが今はやめている」のは32%と、6割以上が利用歴を持つ。摂取し始めた理由(複数回答)のうち「何かによいのではと思って」が100%、「免疫力を高めたい」95%、「治療に役立つと思った」18%、「症状の改善」9%と続き、乳がん治療に良かれとの思いから、健康食品に手を伸ばしているという実態が浮き彫りになった。健康食品の摂取を主治医に伝えたかという問いに対しては、58%が「伝えていない」と回答している。

 佐古田氏はこの結果に対し、「患者さんには、健康食品やサプリメントなど、とっているものはありませんか、と必ず聞くようにしているのに、この結果を聞いたときは、大変ショックだった」と語る。

 こうした医師側の驚きに対し、患者会であるあけぼの兵庫代表の有本幸代氏は「健康食品やサプリメントなど摂っていると言ったら、先生に叱られるのではないかと思ってしまうのが患者の本音。でも、治療に使っている薬の作用に何らかの影響があったら大変なので、医師にちゃんと伝えるのは大切なこと」と語る。そして大谷氏も「実際に治療薬の効果を強めたり弱めたりする健康食品もある。たとえば青汁に含まれるビタミンKは、血液を固まりにくくする薬のワルファリンの効果を弱める。海外の健康食品の中には、日本では医薬品として使われている成分を含むものもある」などの事例を紹介し、注意を促した。

 石川氏は代替医療を行う場合の注意点として、以下の三つを挙げた。

・科学的根拠のある有効性があるか、プラセボ効果だけなのか調べる。
・安全性が不明なことが多く、通常医療の障害となる場合もあることを知っておく。
・通常医療をやめない、通常医療に使うお金を残しておく。

 
※この記事は、2011年11月27日、日経ヘルス プルミエ主催で兵庫県加古川市にて開催された市民セミナー「乳がん 共にたたかい、共に生きる 2011」での発言をまとめたものです。

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