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2012/1/24

がん登録の現状と問題点(下)

患者団体と連携しデータの活用が進む大阪のがん登録

福島安紀=医療ライター

 濱本氏も川相氏も親をがんで亡くした遺族。制作委員会には、大阪府立成人病センターがん予防情報センターのがん登録・情報担当者も名を連ね、患者団体と一緒に患者・家族目線で情報を提供しようとしている。

 「ただ、病院の5年生存率が高い病院が誰にとってもよい病院とは限らないので、施設別の数値のわずかな差に振り回されないようにしていただきたいと思います。5年生存率の低い病院は、ほかに病気がある患者やもともと状態の悪い患者を多く受け入れているなど、患者背景が違う可能性があるからです。今後は、患者・家族がせっかくの情報をミスリードしないように、ナビゲートする役割を果たしたいと思います」と濱本氏は強調する。

住基ネットの活用でがん登録を迅速化
 大阪府は、がん登録の予後調査のシステムでも他県を一歩リードする。2011年4月にがん対策推進条例を施行し、第14条に「がん登録の推進」を掲げて、住民基本台帳(住基ネット)を登録された患者の予後調査に利用できるようにしたのだ。ほかにも山形県、兵庫県で、がん登録に住基ネットの活用を進めているという。

 「がん登録のデータは古いといったデメリットがありましたが、住基ネットの利用で予後調査が効率的にできるようになったので、今後は、より新しい情報を出すようにしていきたいと思います」と津熊氏は言う。

◆「大阪府がん対策推進条例」ではがん登録の推進をうたっている
(がん登録の推進)
第14条 府は、効果的かつ総合的ながん対策の実現に向けて、地域がん登録の推進のため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
(1) 人口動態情報、住民基本台帳を活用した地域がん登録事業を推進するための施策
(2) 地域がん登録への医療機関の連携の強化
(3) 地域がん登録に関する府民への情報提供、広報の強化
(4) 前3号に掲げるもののほか、がん登録の推進のために必要な施策
2 前項の施策を講ずるに当たっては、登録された情報がその利用目的の達成に必要な範囲を超えて用いられることがないようにする等、がん患者にかかる個人情報の保護が適切に講じられるようにしなければならない。

 一方、2010年の都道府県別75歳未満年齢調整死亡率を見ると、大阪府は男性がワースト6位、女性がワースト7位で、毎年ワースト10入りしている。

 「残念ながらこれまでは、がん登録で得られたデータに基づいた対策がなかなか実行に結びついていませんでした。がん対策推進条例が施行され府のがん対策担当者とも頻繁に連絡を取り合うようになったので、今後はがん登録の成果を死亡率の減少に結び付けていきたい」と津熊氏は話している。

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