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レポート

2012/1/25

乳がんセミナーレポート

「乳がん 共にたたかい、共に生きる」

まとめ 小山千穂=チャンゴ・ジャパン

 引き続いてのパネルディスカッションでは、第1部の演者に東芝林間病院の看護師、川中武子氏を加えた4人をパネラーに、日経ヘルス プルミエ前編集長の西沢邦浩氏の司会で議論が繰り広げられた。

5年を超えるホルモン療法は必要?

西沢 抗ホルモン薬やアロマターゼ阻害薬の服用期間は5年とされますが、本当に5年でやめていいのか、という患者さんの声がしばしば寄せられます。

竹中 乳がんの場合、10年、20年経ってからの再発もありますからね。最近では10年程度のんだほうがいいのではないかという意見も聞かれます。ただし難しいのは、抗ホルモン薬を5年以上服用すると子宮内膜がんの発生率が高くなるというデータもあるということ。がんの進行度に応じて10年服用してもらう人もいますが、原則としては5年でやめてもらうようにしています。

再発を予防する生活習慣は?

西沢 再発防止のために、どのような生活習慣を心がければいいのでしょうか。

竹中 「これをやったら効果がある」というのはありませんが、適度な運動、少し汗ばむような運動は、閉経後の人の乳がん発症リスクを下げるというデータもありますし、運動習慣が乳がん患者の死亡リスクを下げる可能性もある、とされます。一方、肥満と喫煙は、いろいろな疫学調査の結果から、リスクを増やす要因と言えます。

西沢 ストレスをため込まないために、例えば音楽を生活にどのように取り入れたらいいのでしょうか。

新倉 音楽がお好きな人は、例えばコンサートに行く、自宅で聴きたい音楽を聴く、演奏をしてみるなど、気軽に音楽を味わうといったことを続けることも一つの方法です。しかし、音楽を聴いているときに頭痛がしたり妙に緊張したりするときは無理をしないでください。そのようなとき、音楽は良い影響をもたらさないこともあります。あまり音楽にご縁のなかった人は無理に聴く必要はないかもしれません。音楽に限らず、テレビやラジオでもいいんです。患者さんからは「大自然の音にやすらぐ」という声をよく聞きます。ちょっと散歩に行ってみるとか、近所でも自然の豊かなところがあれば、そこで鳥の声を聴くとか。

西沢 上原さん、患者体験者として心がけていらっしゃることはありますか。

上原 何事も普通にやることだと思います。乳がんの手術後でも、家事など、わりとなんでもできるんですよ。私は術後2カ月経ったころ、もうプールにも入っていました。でも「手術をしたあとだから」というのはサボる口実にもなるので、無理をせず休むこともできます(笑)。

西沢 体を自然に動かすことと、とにかく日常の生活に戻ることが大切ですね。

治療が選べない時はどうすればいい?

西沢 医師からいろんな治療の選択肢を提示され「ご自身でよく考えてきてくださいね」といわれても、なかなか自分では決められない、そんなときはどこに相談したらいいのかという声もよく聞かれます。看護師の川中さん、いかがでしょう。

東芝林間病院看護師の川中武子氏

川中 治療法を選択するために何を質問したらいいか、どう決めたらいいかが分からない方はたくさんいらっしゃいます。困ったときはいつでも私たち看護師に声をかけてもらいたいですし、私たちも決して放っておきません。今はネットなどでたくさんの情報が集められますが、情報で「がんじがらめ」になってしまい、苦しんでいる方も多いようです。一人で悩まず、ご家族だけで抱え込まず、一緒に輪になって考えていけたらと思っています。

上原 セカンドオピニオンもありますが、とくに初発のときは、なかなかそこまで心の余裕がないものです。私の場合、初発から1年経つ前に反対側も、ということになったので、その段階では少し冷静に考えることができましたが、それでもセカンドオピニオンをとるために別の病院に行くという考えに至らなかったですね。

竹中 セカンドオピニオンという言葉は、今、非常に浸透しています。ご本人の意向というよりも家族に勧められて、というケースが多いようです。セカンドオピニオンにはそれなりの意味があると思います。ただし、医師の話の内容が理解できる程度の知識を身に付けてから行かれた方がいいですね。何も勉強しないままセカンドオピニオンをとっても、かえって不安になるばかりです。3度目4度目と病院巡りをする人もいますが、するともうパニックになるばかりか、治療の時期を逃すこともあり得ます。自分自身もしっかり勉強した上でセカンドオピニオンをとれば、納得のいく選択肢が得られるのではないでしょうか。

広がる地域連携パス

西沢 竹中先生は、お忙しい日は診察だけで1日150人とお聞きしていますが、拠点となる病院ですべての治療とケアを十分に行うのは難しいかと思います。身近な診療所を含めた地域のネットワークを生かす取り組みについて、今、どのような状況ですか。

竹中 町田市のある東京都には「地域連携パス」があります。手術した病院を拠点病院、かかりつけ医がいる医療機関を連携病院と呼び、手術の情報や検査所見などは全部「連携手帳」に書き込み、患者さんは常々これを持っています。連携病院の先生方が行うべき検査項目、診断方法も全部決まっているわけです。患者さんは普段は地元の先生のところで診療と投薬を受け、例えば年1回は拠点病院に行く。これで拠点病院の混雑が緩和されますし、患者さんにしてみれば、「2時間待って3分診療」ということがなくなるメリットもあります。このような連携パスの取り組みは2010年の2月から東京都の一部の地域、一部の施設で試験的に行われております。近い将来、広まっていくと思います。

 なお、このセミナーは、日経ヘルス プルミエが主催、ノバルティスファーマの協賛で行われた。

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