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2011/12/20

乳がん、再発の不安を乗り越えてVol.2

新薬登場で変わる再発乳がん治療

生存期間も年々延長

小山千穂=チャンゴ・ジャパン

 エリブリン以外にも開発が進んでいる。細胞の成長と増殖を促すシグナル伝達経路にかかわるmTORたんぱくを阻害する薬、エベロリムス(商品名「アフィニトール」)は、ホルモン療法が効かなくなった閉経後の再発乳がん患者に対し、ホルモン薬のエキセメスタン(商品名「アロマシン」)との併用で無増悪生存期間(PFS)を約4カ月延ばすという治療成績が2011年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表された。

 HER2陽性の再発乳がん治療については、分子標的薬のトラスツズマブ(商品名「ハーセプチン」)に抗がん薬のDM-1を組み合わせたトラスツズマブ-DM1(T-DM1)が、トラスツズマブとドセタキセル(商品名「タキソテール」)の併用に比べてPFSを約5カ月延ばしたという結果も同学会で発表された。これらの治療薬は「3〜4年先には、再発後の一次治療薬として用いられるようになるだろう」と岩田氏は期待を寄せる。

 こうした開発は数多く進められており、今後さらに専門医にとって使える“選手”層が厚くなっていく中、いずれ治癒を目標に掲げられる時代が来るかもしれないという期待も出てきた。あくまでも現時点では「再発後は“治癒が目標”という治療設計図を描けないけれども、症状の緩和、症状発現の先送り、延命を目指して治療をしていくうちに、結果として治癒する人も少なからずいる」(渡辺氏)と、経験を積んだ臨床医は手応えを感じているという。

 たとえば、トラスツズマブの登場以前は予後が悪いとされたHER2陽性タイプについても、「トラスツズマブと抗がん薬の組み合わせで、劇的によくなる患者を経験する」と渡辺氏。

 再発乳がんの治癒の可能性について、残念ながら今のところは科学的根拠がない。しかし、将来的には再発乳がんの治癒もあり得るのかもしれないと考えることが可能になってきた。

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