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レポート

2011/9/13

がんの親を持つ子どもの心、どうサポートする?

医療現場での試行錯誤が始まった

黒住紗織=日経ヘルスプルミエ

 たとえば1部の「病状変化」では、患者がずっと治療をがんばってきたことを伝え、子どももよくがんばってきたことを労う。その上で今後、もう積極的治療ができないが、痛みなどのつらい症状をとる薬があるから心配は要らないことなどを伝える内容だ。優しいイラストを使って、絵本のように仕立ててあり、子どもに語りかける文章になっている。

 患者である親の意向を確認しながら、現在は主に子どもの対応に習熟した医療スタッフがこの小冊子を使っているという。「何よりも、患者さん本人が子どもに話したいという意向を持っていることを確認することが大切。そして、話をする人と子どもの信頼関係が築けていないうちは、子どもの心を必要以上に傷つける心配があるので、信頼関係ができてから話すようにしている」と白石氏。

 また、子どもの性格傾向について親から情報を得るとともに、子どもの様子を見ながら、場合によっては途中で話をやめる場合もあるという。「たとえ、今日話をしなくては、もう間に合わないというときであっても、子どもを観察して場合によっては話をやめることも必要。親である大人は大丈夫と思っていても、子どもは違う反応を示す場合もある」(白石氏)。

 慣れていないスタッフが子どもに冊子を渡すだけということは絶対に避けたい、と白石氏。医療スタッフ用のマニュアルを作成するなど、現在、試行錯誤を重ねながら慎重に運用方法を探っている状況だという。

 実際の運用は予想以上に難しいようだ。「患者である終末期の親が子どもに看取りのことを話してほしいとの意向を持っていたとしても、実はその先にまだ壁が沢山ある場合も。親の両親(子どもの祖父母)が話すことに反対することなどもありますから」と白石氏は話す。

 がんの親を持つ子どもを支える取り組みや啓蒙活動は、日本ではまだ緒に就いたばかり。だが、決して忘れてはならない視点であることは明らかだ。「子どもに親のがんについての情報を適切に伝えることで、子どもの不安や負の感情を少しでも軽減し、それを支える」――。こうした考え方が、今後、多くの医療関係者やがんになった親たちにも広がり、浸透していってもらいたいものだ。

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