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2011/8/9

親ががんになったとき、子どもに何をどう伝えるか

「話しても分からない」「隠しておいた方がいい」なんて思わないで!

黒住紗織=日経ヘルスプルミエ

大沢かおり氏○東京共済病院がん相談支援センター医療ソーシャルワーカー、社会福祉士、精神保健福祉士。
90年上智大学文学部社会福祉学科卒業。91年より現職。2007年に自分自身が乳がん闘病中に入会した患者会の活動を通じ、がんと診断された親を持つ子どものケアを専門に行うマーサ・アッシェンブレナー氏と出会う。同氏の取り組みに共感し、08年7月にHope Treeを立ち上げた。

 あなたは、自分ががんになったとき、未成年の子どもにその事実を話すだろうか。それとも、できるだけ隠しておいた方が子どものため、と思うだろうか。「ショックを与えるから、伝えたくない」「話しても理解できないだろう」「どう話していいのか分からない」――さまざまな思いが頭をよぎるだろう。

 親ががんになった子どもは、親の病状のさまざまな局面に応じて、その生活に変化を余儀なくされ、また心理的ストレスを受ける。しかし、日本の医療現場ではそうした子どもへの配慮や支援が行き届いているとはいえない。

 特に乳がんは、18歳未満の子どもを抱えた比較的年齢の若い女性にも発症しやすいため、病気の事実を話すことが子どもにどんな影響を与えるのかが分からず、子どもに隠しながら治療を続けている人は少なくない。

 しかし「親が隠していたとしても、子どもは何かが違っていることに気付き、独りで悪い想像を膨らませてしまう。親が話をしないことで子どもはかえって疎外感を覚え、不安な気持ちになる。子どもの発達段階によって理解度に違いはあるけれど、その子に分かる言葉でがんであることを伝えた方が、子どもは安定します」。こう話すのは、子どものいるがん患者の支援活動を行う「Hope Tree(ホープツリー)」(3ページ囲み参照)の代表を務める東京共済病院(東京都目黒区)の医療ソーシャルワーカーの大沢かおり氏。

 先行する米国の研究では、親ががんになった子どもは、不安や気分の落ち込みを感じる率が高いこと、また、情報がほとんどない、もしくは全くない状況では、子どもは正しくない悲劇的な結末を想像しがちであることが分かっている。また、がん患者の子どもの29%は、親が病気になった1年目に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を経験しているという報告もある。

 一方、年齢に応じて適切な情報が提供され、がんという病気について教育を受けた子どもは、そうでない子どもに比べて、「大人を信頼したり、自分は家族の一員であると感じたりすることができる。誤解を最小限に抑えることにもつながる」と米国MDアンダーソンがんセンターのチャイルド・ライフ・スペシャリストであるマーサ・アッシェンブレナー氏は指摘する。また、家庭内のストレスを軽減し、親の抑うつ気分を改善するという研究報告もある。子どもにがんであることを告げることは、子どもと親、双方の助けになるのだ。

子どもにがんであることを伝える際の「3つのC」とは
 とはいえ、実際には何を、どのように話せばいいのか――。アッシェンブレナー氏によると、親が子どもにがんであることを伝えるときの重要なポイントは「3つのC」だという。

 1つ目は、「がん(cancer)という病名」を伝えること。

 がんという病名を伝えずに「病気」という曖昧な表現をすると、子どもは想像を働かせ、混乱を来たしたり、より大きな不安を抱えることになりかねない。風邪のようにすぐに治る病気とは違うことを伝えるためにも、「がん」という言葉を使うことが大切だという。

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