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レポート

2011/8/2

卵巣がんや乳がんにPARP阻害薬〜開発進む新機序の分子標的薬

小板橋律子=日経メディカル

 PARP阻害薬は、卵巣がん、乳がんなどの領域で臨床開発が進行中であり、その開発動向に世界中のがん専門医が注目している。

卵巣がんの約8割が治療対象に
 さらに近年、BRCA1/2遺伝子に変異を有さない卵巣がん患者においても、BRCA1/2遺伝子の発現が何らかの因子により抑えられている状態(BRCAnessと呼ばれる)が存在することが分かってきた。 

 「卵巣がんの約8割を占める漿液性卵巣がん患者のほとんどが、この状態にあるようだ」と勝俣氏。これらの卵巣がんは遺伝性ではないが、がん化した細胞では遺伝性卵巣がんと同じようにBRCA1/2遺伝子が機能しなくなっているという。

 今年6月に米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、この漿液性卵巣がんを対象としたオラパリブのプラセボ対象無作為化第2相臨床試験の良好な結果が発表された。

図2 卵巣がんを対象としたオラパリブの第2相臨床試験の結果
プラチナ感受性再発卵巣がんに対する維持療法としてオラパリブ400mg(1日2回経口)投与群136人とプラセボ群(129人)を比較。オラパリブ投与群で、有意に無増悪生存期間が延長された。(出典:ASCO 2011 Annual Meeting #5003)

 プラチナ製剤感受性再発卵巣がんに対する維持療法としてオラパリブを投与した群の無増悪生存期間は8.4カ月と、プラセボ対照群の4.8カ月に比べて、有意な延長が示された(図2)。

 細胞毒性の強い抗がん剤が主流の卵巣がん領域において、「経口薬で服薬しやすく、かつ毒性が低いと報告されているオラパリブの登場が大いに待たれる」と、勝俣氏は期待する。

 ただし今回発表されたのは、小規模な第2相臨床試験の結果にとどまる。「今後、大規模な国際的な臨床試験が行われ、日本もその試験に参加するだろう。冷静に今後の開発動向を見守りたい」と勝俣氏は話す。

乳がんの第3相では有意差わずか
 一方乳がんでも、異なる種類のPARP阻害薬(イニパリブ:iniparib)の開発が、HER2陰性かつホルモン感受性なし(トリプルネガティブ)乳がんを対象に進められている。トリプルネガティブ乳がんは、有望な分子標的薬が存在せず、新規治療薬の開発が望まれている乳がんだ。

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