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レポート

2011/7/12

胃がんの縮小手術を可能にするセンチネルリンパ節生検

小板橋律子=日経メディカル

センチネルリンパ節は高精度で同定可能
 この手法においては、センチネルリンパ節の同定が重要となる。慶応大病院を中心とした12施設は共同研究として、後述する手法により、患者のセンチネルリンパ節を正確に同定できるかを検討した。
 
 対象はがんの大きさが4cm以下の比較的早期の胃がん患者約400人で、調査期間は2004年8月から08年3月。その結果、高い精度でセンチネルリンパ節を同定できることが確認された(表1)。

表1 センチネルリンパ節同定の検討結果

センチネルリンパ節同定率97.5%(387/397)
センチネルリンパ節個数5.5個/患者
リンパ節転移検出感度93.0%(53/57)
センチネルリンパ節を指標としたリンパ節転移正診率99.0%(383/387)

 具体的には、放射性同位元素で標識した物質(ラジオアイソトープ:RI)と色素をがん組織の近くに内視鏡下に注入し、腹腔鏡下でその色素がどのリンパ節を染めるか、また、色素で染まったリンパ節にRIが取り込まれているかを確認してセンチネルリンパ節を同定。RIと色素を併用することで、センチネルリンパ節の同定精度が高まるという。

 現在の標準的な術式では、経験的に転移が生じやすいと考えられるリンパ節を切除している。しかし、「リンパの流れには多少なりとも個人差があり、まれに予想に反したリンパ節に転移する場合があることも分かった」と竹内氏。つまり、現在の標準的な術式では、転移のあるリンパ節を取り残す可能性が否めない。

 センチネルリンパ節生検を活用すれば転移の有無をより科学的に判断できると期待され、その結果、不必要な切除を減らすだけでなく、転移部位を適切に切除できるようにもなりそうだ。

 竹内氏は、「新しい共同研究として、センチネルリンパ節生検の結果に基づく縮小手術による再発率や術後のQOLを調べる多施設共同研究を計画中」と明かす。再発率が高まらず、かつ、QOLの維持が確認できれば、悪性黒色腫や乳がん同様に、胃がんにおけるセンチネルリンパ節生検が保険診療で実施できる道も開けそうだ。

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