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2011/5/2

高額な薬剤費負担を少しでも軽く―支援団体がCML患者を助成

「つばさ支援基金」が報告セミナーを開催

渡辺千鶴=医療ライター

最適な治療が確実に続けられる環境を
 これらの活動報告に続いてセミナーでは、がん患者の高額な薬剤費負担をどうすべきかということについても話し合われた。諮問会議の委員である東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科教授の黒川峰夫氏や、東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学准教授の福田敬氏、早稲田大学法学学術院教授の菊池馨実氏も参加し、それぞれ専門的な立場から解説した。

 CMLの病態や治療法について解説した黒川氏は、分子標的薬の登場でCMLはコントロールできる病気となったが、現時点では内服薬を中止できるかどうか分かっておらず、医師の指示通りに内服を継続する必要があることを強調。その上で、「最適な治療を確実に続けられる環境を整備することが極めて重要だ」とコメントした。

 また、近年、高額ながん治療薬や治療技術が登場し、医療費がさらに増える傾向にあり、その負担方法が課題となっていることを踏まえ、福田氏は日欧の自己負担の現状を比較。「英国では費用対効果に優れる技術や薬剤の使用を推奨し、原則として患者負担もない。フランスは重篤度に応じた自己負担になっており、がんの治療薬は公的医療保険において患者負担はない。このように患者の自己負担は、治療の費用対効果や疾病の重篤度に応じて設定されるべきだが、日本では、費用対効果に関係なく、原則3割の自己負担。高額療養費制度は使えるものの、高額な医療技術を用いる際には自己負担が大きい」と指摘した。

 そして、「日本が、費用対効果や疾病の重篤度に応じた対応がすぐに実現できないのであれば、経済的な理由によって有効な治療が受けられないことがないように対策を講じる必要がある。つばさ支援基金はその1つの対策になると考えて、この活動に参加している」と語った。
 
 日本の社会保障と医療費について持論を展開した菊池氏は、「国民の2人に1人ががんに罹患するという一般性を考えると、がん患者の自己負担分の保障は高額療養費制度などで十分に対応できるように見直すべき」と主張。そして「社会保障費や医療費について本格的な財源論を行う時期に来ている」とコメントした。
 
 そして、最後に橋本氏が「薬剤費の高額化はがん医療全体にかかわる問題。多くの人が参加しやすく納得できる基金の体制を作りながら、今、困っている人に、今、支援できる人が支援するという理念に基づいてサポートしていきたい」と、改めて決意を述べた。

「つばさ支援基金」第2期助成 問い合わせ先
NPO法人日本臨床研究支援ユニット・臨床研究コールセンター 
0120−711-656(月〜金10時〜17時)

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