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2011/5/2

高額な薬剤費負担を少しでも軽く―支援団体がCML患者を助成

「つばさ支援基金」が報告セミナーを開催

渡辺千鶴=医療ライター

 高額な薬剤費負担により、治療継続を断念するがん患者が増えている。そんな患者を救うべく、血液がん患者支援団体「血液情報広場・つばさ」は、経済的問題を抱える慢性骨髄性白血病(CML)に対して医療費の一部を助成する活動を行っている。活動開始から半年が過ぎた今、どんな問題が浮かび上がっているのか。そして今後、がん患者の自己負担分の保障はどうあるべきなのか――。3月27日、東京都内で報告セミナーが開催された。



「つばさ支援基金」を創設し、経済的に困窮するCML患者の支援に乗り出した「血液情報広場・つばさ」理事長の橋本明子氏

 高額な薬剤費負担により、治療継続を断念するがん患者が増えている。特に、慢性骨髄性白血病(CML)のように、治療薬を服用すれば飛躍的に生存期間が延びるがん患者にとっては非常に深刻な問題だ。

 「失われた命は2度と戻ってこない。国の制度が不備であるという理由で、治療が間に合わないということがあってはならない」。こう訴えるのは、血液がん患者支援団体のNPO法人「血液情報広場・つばさ」理事長の橋本明子氏だ。

 「血液情報広場・つばさ」は、CMLで長男を亡くした橋本氏が1994年に立ち上げた患者支援団体で、血液がんの患者やその家族を対象に治療や医療、療養に関する最新情報を提供してきた。さらに97年より電話相談業務にも参画し、患者や家族の悩みを直接聞いてきた。そして2010年10月に「つばさ支援基金」を創設し、経済的に困窮するCML患者の支援に乗り出した。患者支援団体による医療費支援は、わが国では初めての試みだ。

患者支援者、臨床医、学者らの思いが一つになり基金設立へ
 3月27日に都内で開催されたつばさ支援基金報告セミナーでは、最初に橋本氏が「つばさ支援基金」発足までの経緯を語った。

 橋本氏によると、07年頃から同法人が主催するフォーラムや運営協力する電話相談などで、CMLの薬剤費の高額化が問題になり始めたという。そこで09年12月に厚生労働省に対し、高額療養費の自己負担限度額の見直しを求めた要望書を提出。「しかし、国の制度の見直しを待っている間にもCML患者の経済的状況はさらに悪化し、高額な薬剤費が社会問題として取り上げられるようになりました」と、橋本氏は当時を振り返る。

 国の制度改正を待っていては間に合わないと危機感を覚え、民間でできる救済策はないかと考えた橋本氏は、血液内科医をはじめ医療経済や法律の専門家とも話し合いを重ねるようになり、「つばさ支援基金」の構想が生まれたという。

 橋本氏らは基金を立ち上げるために募金活動に奔走し、製薬企業や社会事業団、個人などの協力を得て2500万円余りの寄付金を確保。4人の臨床医や研究者で構成される諮問会議を設置し、助成の基準や期間を決めた。

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