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レポート

2011/4/21

東日本大震災ががん医療にもたらす教訓

福島県立医大病院臨床腫瘍センター部長の石田卓氏に聞く

小崎丈太郎=日経メディカルCancerReview

 東日本大震災に続き福島第一原発事故に見舞われている福島県では、がん診療にも甚大な影響が出ている。震災直後、医療機関はどう対応したのか、また1カ月以上経過した今、浮かび上がってきた課題とは何か――。福島県立医科大学附属病院(福島市)臨床腫瘍センター部長の石田卓氏に聞いた。


「医療の継続性をどのように確保するかが大きな課題だった」と語る福島県立医大病院の石田卓氏

 福島県立医科大学附属病院は、福島県の中核的ながん医療機関だ。ここで外来化学療法を受ける患者数は、多い日では25人に上る。ほかの医療機関に比べ、乳がんを筆頭に大腸がん、肺がんが多いという特徴がある。

 3月11日14時46分に東北地方を襲った大震災は、当院にも甚大な被害をもたらした。震災によって十分な治療を行えなくなったことから、医療スタッフの当座の仕事は、患者さんを近隣の病院に紹介することだった。

 「とりあえず、2週間後に来てください」。医療スタッフは、治療を予定していた患者さんやご家族に連絡しようとしたが、地震直後の混乱の中、電話が通じず、所在が分からない人も多かった。そのため、中には連絡が取れないまま、予定通り来院してしまった患者さんもいた。

医療の継続性をどう確保するか
 避難のために、居住する地域を離れる患者さんもいる。そのため、医療の継続性をどのように確保するかが、私たちの大きな課題だった。実際、被災後の1カ月間で受けた転院の相談は18件に上り、そのうちの15人は、県内の別の医療機関か、親族が暮らす関東地方の医療機関に転院することになった。

 医療の継続性を確保するためには、医療記録の保存が重要だ。特にがん化学療法では、決まったレジメンでクールを繰り返すことになるため、どんなレジメンで、どのクールまで治療したのか、転院先の担当医に情報を提供しなければならない。

 もちろん、最初からずっと福島県立医大で治療を行っている場合は、医療記録が保存されている。しかし、最初の治療を福島県立医大で行い、その後は患者の自宅近くの医療機関で継続するケースも少なくない。震災後、福島県立医大に戻ってくる患者さんの中には、治療を受けていた医療機関が倒壊し、正確な診療情報が手に入らない人もいる。最初の治療の記録は残っているものの、その後、進行(PD)となり別のレジメンに切り替わっている患者さんもいるはずだ。

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