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レポート

2011/4/4

著者に聞く

患者さんが具体的な行動をスタートさせる手助けになる情報を1冊にまとめました

国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報提供研究部 医療情報コンテンツ研究室長 渡邊清高氏

富田文=日経メディカル別冊編集

「わたしの療養手帳」
この手帳に自分の気持ちや、病気や治療の状況を書き留めて整理する。

――この本の特徴は。

 企画の初期段階から患者さんとご家族の意見が大きく取り入れられていることです。

 われわれはこの本を作るにあたって、「患者必携」はどんなものであるべきか、というところから議論をスタートさせました。患者さんが必要とする情報は病気や治療の知識だけではありません。診断直後はショックや不安にさいなまれるでしょう。治療が始まれば、医療費や介護費用が心配になるかもしれません。治療後も、後遺症と向き合いながら日々の生活を送らなければなりません。そのため、医学的な知識だけでなく、治療法を考えたり療養生活を送るときに参考になる情報、日常生活に役立つヒントなども盛り込むことにしました。

 がんに関する情報としては、以前から病気や治療法といった医学的な情報はたくさんありますが、医療費のことや支援制度など、患者さんの療養生活に必要な情報は乏しかったのが実情です。そこで、情報がなくて困ったこと、知っていて役立った生活上のヒント、医師への質問の仕方など、これからの患者さんにぜひ知っておいていただきたいことを、患者さんやご家族、そのサポートをされている方に協力していただきました。療養やケアについては看護師の方、支援制度やお金のことはソーシャルワーカーや生命保険会社の方など、実際に支援に携わっている方に現場ならではの提案を聞きました。

わたしの療養手帳(25ページ)
入院の準備のためのリストやセカンドオピニオンを受けるときの整理メモなどが付いている。(画面をクリックすると大きくなります)

 作成過程では、100人もの患者さんやその家族、一般市民に協力いただき、構成の検討や内容のチェックをお願いしました。さらに、現場で治療やケアに携わっておられる医師や看護師、相談支援センターの相談員の方など約100人に、ヒアリングや査読という形でご協力いただきました。

――今後の課題は。

 都道府県ごとの支援の仕組みや、相談支援センターや在宅療養支援診療所の連絡先、支援制度を申請するときの窓口など、患者さんが地域で療養生活を送るに当たり必要になる情報をまとめた「地域の療養情報」が必要だと考えています。

 実は、「患者必携」は当初、今回発行された「ガイド」と「手帳」に「地域の療養情報」を併せた3部構成として作成することが検討されていました。実際、2009年6月に試作版として、地域の医師、看護師、相談員の方にご協力いただきながら4県(茨城、栃木、静岡、愛媛)で「地域の療養情報」を作成しました(「地域の療養情報」はこちら)。

 「ガイド」や「手帳」の内容が身近な地域で実践できるという情報が盛り込まれた「地域の療養情報」は非常に好評で、「ぜひすべての都道府県で作ってほしい」「なぜ自分の地域にはないのか」と問い合わせが相次いだほどです。この試作版を参考にし、その後、いくつかの都道府県で試作や完成版に向けた議論が始まっているところです。この春には沖縄県で「地域の療養情報 沖縄版」が発行されます。また、高知県、広島県、大阪府など他の地域での検討も進んでいます。

 国立がん研究センターでは、患者必携サポートセンター(電話0570-02-3410)を設け、患者さんから患者必携に関する疑問や療養上の悩みについて、問い合わせを受け付けています。こうして患者さんと医療者の情報に対するニーズを探ることで、これからもよりよい情報発信を追求していきたいと考えています。

※4/19 人事異動により先生の肩書きを修正しました。

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