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2011/2/8

患者家族と医療者が一緒に使える

小児がんで初めての緩和ケアガイドラインを作成

福島安紀=医療ライター

ガイドラインが公表された10年12月のワークショップでは、小児がん体験者や子どもを亡くした親がガイドラインの活用を呼び掛けた。

言葉を選び3年越しで作成
 このガイドラインの作成の発端は、07年12月、仙台市で開かれた日本小児血液学会、日本小児がん学会、日本小児がん看護研究会(現・日本小児がん看護学会)の3学会とがんの子供を守る会のワークショップ「ターミナルケアとホスピスを考える−ターミナルケアのガイドラインを作ろう−」にさかのぼる。

 聖路加国際病院副院長で小児科部長の細谷亮太氏を作成委員長として、小児がんの遺族である父親、母親、きょうだい、医師、看護師、ソーシャルワーカー、院内学級の教師といった様々な立場の委員が集まって08年6月に第1回作成委員会を開催。08年、09年にも、同会と3学会がターミナルケアのガイドラインをテーマにしたワークショップを開催し、ガイドラインの草案を基に、小児がんを体験した本人、家族、遺族などを中心に多くの意見を集めた。

 子どもの緩和ケア、ターミナル期というデリケートな問題とどう向き合うか。1つ1つ言葉を選びながら、約3年かけて作り上げた。タイトルについては、緩和ケアにするかターミナルケアにするかで最後まで議論が続いたが、診断時に手渡すことを考慮し、治癒が望める人にも必要な緩和ケアのガイドラインにしたという。

患者家族と医療者が共に考えるきっかけに
 完成版の公表に合わせて開かれたワークショップでは、小児がん体験者や子どもを亡くした親、医療者、院内学級の教師らが、ガイドラインの内容、手渡す時期、活用法などについて議論を行った。

 作成副委員長で聖路加国際病院小児科医長の小澤美和氏は、ガイドラインの役割と使い方について次のように話した。

 「このガイドラインは指針としての情報提供であって、マニュアルではありません。ガイドラインというと、こういうときにこれをやればいい、というものがさっと出てくるものを想像されるかもしれませんが、そういうものではないのです。子どものことを考える様々な立場、職種の方たちが共にこの冊子を手に取って、共に考えるきっかけになればと考えています」

患者遺族の立場からガイドラインの作成に携わった田中徹氏。

 また、作成委員の1人で、6年前に息子を小児がんで亡くした経験を持つ田中徹氏は、自身の体験からこう話した。

 「いざというときに具体的に何をするか、自分の気持ちをどう整理するか、答えとまではいかなくても、ある程度の方向性を示してくれるガイドラインが必要だと思いました。特に、小児がんの場合は、治癒が難しい段階になった後の残り時間が少ない。限りある残りの日々を実り多いものにしてあげられるように、緩和ケアについても普段から考えておかなければいけないのだと、息子の闘病中に実感しました」

 さらに、がんの子供を守る会の会員の1人は、「子どもが小児がんになるということは本当に大変で、親はお互いに支え合わなければいけない。でも、健康な子どもを持っている人に相談しても、この気持ちが本当に通じるのかなと思ってしまうことがありました。このガイドラインを見て、相談できる場所があるんだということも知って、ぜひ活用してほしい」と強調した。

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