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2011/2/8

患者家族と医療者が一緒に使える

小児がんで初めての緩和ケアガイドラインを作成

福島安紀=医療ライター

 小児がんなどの病気で、子どもが、治癒が望めない、最悪の事態に直面したとき、家族や医療者はどうしたらよいのか―。財団法人「がんの子供を守る会」がこのほど、患者・家族と医療者が一緒に使えるターミナル期の指針「この子のためにできること 緩和ケアのガイドライン」をまとめた。



 「このガイドラインは、小児がんの子どもとその家族だけでなく、小児がんの子どもを支えるすべての人に読んでいただきたいものです。(中略)こんなこともできる、こんな選択肢もある、ということを伝えながら、病気の子どものために何ができるか、いっしょに話し合いたいとの思いで作りました」

「この子のためにできること 緩和ケアのガイドライン」。作成には3人の遺族も加わった。

 「この子のためにできること 緩和ケアのガイドライン」の巻頭には、そんなメッセージが記されている。

 本ガイドラインはA5版15ページで、小児がん患者や家族の支援団体である「がんの子供を守る会」が作成。2010年12月19日、大阪市で開かれた日本小児血液学会、日本小児がん学会、日本小児がん看護学会の3学会と同会の合同ワークショップで公表された。

 ガイドラインの対象は、小児がんに限らず、緩和ケアを必要とするすべての子どもたちだ。病気の状態や治療内容など、子どもに説明した方がよいことをまとめた「子どもの権利―ひとりの人間として大切にすること」から、看取った後の「グリーフワーク」まで、緩和ケアに焦点を当て、子どものためにできることが10項目に分けて紹介されている(表1)。

表1 「この子のためにできること 緩和ケアのガイドライン」の主な内容

1.子どもの知る権利
   ――ひとりの人間として大切にすること
2.子どもの心に寄り添う方法
3.年齢による子どもの死のとらえ方
4.治療や緩和ケアを選択するときの親、家族の考え方
5.患者のきょうだいへの配慮の仕方
6.教育、保育の役割と重要性
7.医療チームの紹介とつきあい方
8.身体的、精神的痛みの軽減の仕方
9.ターミナル期の過ごし方
10.グリーフワーク(深い悲しみからの回復の過程)

 例えば、子どもの心との寄り添い方をまとめた2番目の項目では、死を意識したときの子どもの反応の仕方を例示しつつ、「子どもが一人で取り残されることのないよう、大人は子どもをまるごと受け止め、『いつでもそばにいるよ』という気持ちでいることが大切です」と強調する。また、後回しにされがちな「きょうだい」についても独立した項目を立て、「がんの治療を受けている子どもがいると、親はその子にかかりっきりになります。そのため、きょうだいが置き去りにされたような気持ちになることもあります」とし、具体的な対処法を例示しているのが特徴だ。

 これまで、成人のがんを中心にした「がん疼痛治療ガイドライン」はあったが、患者、家族、医療者、教育者、保育者などが一緒に使える形で緩和ケア、ターミナル期の子どもとの向き合い方をまとめたガイドラインはなかった。その意味で、今回のガイドライン発行は画期的といえる。

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