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2011/2/1

「子どものワクワクを作る療養環境」を整えるには

がんの子供を守る会と3学会が公開シンポ

福島安紀=医療ライター

 こうした子どもへの働きかけの一方で、「入院している子どもの親という立場を体験したからこそできる役割を担うこともあります」と小橋氏は言う。時には、看護師から、病状が進みほとんど反応がなくなった子どもの母親の話を聞いてあげてほしい、と頼まれることもあるそうだ。

 「わが子が他界してから、病院に足を踏み入れるのがつらくなったり、よく似た子を見付けて涙することもありました。でも、現在闘病している親子の皆さんと楽しい時間を共に笑顔で過ごす中で、私の方も、悲しく切ない喪失の気持ちが癒やされていきました」。そう小橋氏は語る。

院外で楽しい空間を作るアフラックペアレントハウス
 こうした取り組みが徐々に広がっているとはいえ、残念ながら、保育士やボランティアの導入に積極的な病院ばかりではないのが現状だ。シンポジウムでは、会場にいた医師から、「ボランティアを入れたり保育士を雇用したりしたいが、病院側の理解が得られない。どうしたらよいか」という質問も出た。

 座長を務めた大阪府立母子保健総合医療センター顧問の河敬世氏は、病院を運営する側の立場から、「関心を持っている医師が1人でもいると施設も変わってくる。まず、1歩を踏み出し、看護部長や病棟のスタッフの理解を得ることが大事」と助言した。保育士については、「保育士がいると診療報酬での加算があるので、そういった制度を病院の上層部に知らせると理解が得られやすい」といったアドバイスも出た(小児入院医療管理料に係る加算の施設基準)。

 また、同シンポジウムでは、がんの子供を守る会ソーシャルワーカーの樋口明子氏が、同会がアフラックの支援を受けて運営する小児慢性疾患患者家族の総合支援センター「アフラックペアレンツハウス」(http://www.ccaj-found.or.jp/consultation/facilities/)を紹介した。ペアレンツハウスは、遠方から治療のために来ている患者家族の宿泊施設を併設し、2011年1月現在、東京に2棟(江東区亀戸と台東区浅草橋)、大阪(大阪市中央区)に1棟ある。運営は寄付金で成り立っており、宿泊費は1人1泊1000円(患児は無料)。樋口氏らがんの子供を守る会のソーシャルワーカーが常駐して患者家族、小児がん体験者の相談に乗り、患児、兄弟の気持ちのケアなども行っている。

アフラックペアレンツハウス大阪の様子。キッチンは、入院生活の長い子どもたちが久しぶりに親の手料理を楽しんだり、親同士が交流する場としても活用されている(左)。右は宿泊用の和室(提供:がんの子供を守る会)

 2010年6月からは、「院外でワクワクした環境を作れないか」と、大阪の1棟で、宿泊以外にデイユースとしての貸し出しも始めた。外出先に制限のある子どもが気晴らしをする場所として、プレイルームや図書コーナーを利用したり、家族で手料理や鍋を囲んだり、複数の家族がパーティーを開いたりといったことも行われているという。

 さらに、療養生活が長かったために自分に自信が持てず、なかなか社会に出られないという小児がん体験者が、ペアレンツハウスで清掃活動を行うなど、社会人として自立を目指す場としても活用されている。

 「私どもが提供するワクワクだけではなくて、ご家族や周りの皆さんが考えるワクワクを実現する場所としても、ペアレンツハウスを利用してほしい」と樋口氏は話している。

◆アフラックペアレンツハウス亀戸・浅草橋 電話:03-5833-2860
◆アフラックペアレンツハウス大阪 電話:06-6263-1415

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