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レポート

2010/12/10

國土典宏教授の「肝がん治療の誤解を解く」(3)

肝細胞がんはオレンジ、転移性がんはジャガイモ

2つの肝がんには構造上の違いがあり、そのため適切な治療法も異なる。

 原発性がんと転移性がんは全く異なる構造をしている。原発性である肝細胞がんはオレンジに、転移性のがんはジャガイモに例えることができる。そして、この構造上の違いにより適した治療法が異なる。


写真1 「肝細胞がん」はオレンジのように丸く、周りを厚い皮で覆われている。  2つの肝がんは見た目にも明らかな違いがあります。「肝細胞がん」はオレンジのように丸く、周りを厚い皮で覆われています(写真1)。この皮は線維性被膜と呼ばれるもので、がん細胞ではありません。つまり、がん本体は厚い皮の中にあります。

 「肝細胞がん」は触感もオレンジのようにやや弾力があります。また、オレンジほどきれいな房にはなっていませんが、腫瘍の内部が膜で仕切られて、いくつかの部屋に分かれるような構造になっていることも珍しくありません。

写真2 「転移性肝がん」はゴツゴツした不規則な形をしており、ジャガイモに例えることができる。  一方、「転移性肝がん」はゴツゴツした不規則な形をしており、ジャガイモに例えることができます(写真2)。ただし正確には、ジャガイモにはごく薄い皮がありますが、「転移性肝がん」には皮そのものがありません。そのため、がん本体は正常な肝組織に直接、接しています。

 「転移性肝がん」の堅さはジャガイモ並みかそれ以上で、「肝細胞がん」のような弾力性はありません。さらにジャガイモに房がないように、「転移性肝がん」もベタッとした1つの塊になっています。

 このように、「転移性肝がん(ジャガイモ)」が不規則な形で、「肝細胞がん(オレンジ)」のような厚い皮を持たないことが、治療法を考える場合に大きな違いになってきます。これについては次回詳しく解説します。

國土典宏(こくどのりひろ)

東京大学臓器病態外科学大講座、肝胆膵外科学・人工臓器移植外科学分野 教授

1981年東京大学医学部卒業。同大学第二外科助手を経て、89年米国ミシガン大学外科に留学。95年癌研究会附属病院外科、2001年東京大学肝胆膵外科、人工臓器・移植外科で肝胆膵のがんの外科治療とともに肝移植チームを指揮している。07年から現職。

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