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レポート

2010/11/16

乳がんのリンパ浮腫の予防・進展抑制(前編)

 リンパ浮腫は、初期症状に早く気付き、セルフケアを継続することで浮腫の進行を抑えることができる。しかし、その初期症状を知らない患者も少なくない。乳がん手術後のリンパ浮腫を早く見付けるためのコツを押えておこう。



 「患者さんから『リンパ浮腫はどこに出るのですか?』『はじめにむくみ始める場所はどこですか?』という質問をよく受けます」。こう語るのは、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)乳がん看護認定看護師の高橋由美子氏。高橋氏は、国立がん研究センター中央病院で、毎日多数の乳癌患者に接している。患者の中には、浮腫は体全体に出ると思っていたり、腕だけに出ると思っている人が少なくないという。


背部のむくみは特に気が付きにくい。
 リンパ浮腫は、リンパの流れが停滞することで生じたむくみのこと。乳がん治療における、腋窩リンパ節郭清やセンチネルリンパ節生検により、リンパ管やリンパ節に損傷を受けることで起こる。腋窩リンパ節郭清を受けた患者の約24〜28%、センチネルリンパ節生検を受けた患者の3〜5%に発症すると言われている。患側の上腕や前腕の内側や、患側の後腋窩部で初期に浮腫が発症しやすい(図1)。

 リンパ浮腫は、術後3年目くらいまでに発症しやすく、特に鎖骨下や腋窩に追加の放射線照射を受けた人やリンパ節転移が多い人はリンパ浮腫を発症しやすい傾向がある。また、脂肪はリンパ管を圧排(あっぱい)してリンパの流れが停滞しやすくなることがあるので、急激に太らないようにすることが大切だ。

 主症状は、ゆっくりと進行する広範囲に広がるむくみで、腋窩リンパ節郭清の後、患側上肢に片側性に出現することが多い。また初期症状として、だるさ・重さ・疲れやすさを感じることが多い。その後放置して症状が進行すると、皮膚の乾燥や硬化、痛みやしびれを感じるようになることもある。

チェックシートで初期徴候を発見
 リンパ浮腫の病期(進行度)は表の通り(表1)。高橋氏は、「術後は既に0期。2期に入ると回復は困難になるので、発症しても1期から2期に移行させないことが重要だ」と話す。

 リンパ浮腫の初期徴候を見付けるために、高橋氏が勧めるのが、次のセルフチェックシートだ(図2)。

 初期に浮腫が発症しやすい部位は、患側の上腕 前腕内側、患側の後腋部だ。症状を感じる部位とその部位の左右対照にある部分を摘み上げて、患側の盛り上がった部分だけにしわができない場合は、その部分がむくんでいると分かる。

 特に患部の後腋部は自分では気付きにくい。「手術した方の肩が急にこるようになった」「腕が重だるくて、上がりにくくなった」「背中が重い」――などと感じたら、身近な人に見てもらい、担当の医師や看護師に相談しよう。

(まとめ:富田 文)

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