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レポート

2009/5/26

日本全国のニコチン依存度チェック追跡調査から

喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦するも、うち7割は失敗

ファイザーが、昨年行った全国のニコチン依存度チェック調査の回答者を対象に追跡調査した結果、この喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦するも、うち7割は失敗していることが明らかになった。また、ニコチン依存症の場合は、非依存症に比べて、禁煙の失敗割合は顕著に高かった。ただし、失敗している禁煙者も禁煙への挑戦意欲は高いようだ。



 喫煙は、肺がん、口腔・咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、肺がん、膵がん、肝臓がん、腎臓がん、尿路がん、膀胱がん、子宮頸がん、骨髄性白血病の発症リスクを高めることが証明されている。

 また、肺がんに関しては、20世紀の米国におけるたばこの消費量と肺がん死亡率(年齢調整後)から、1人当たりのたばこ消費量が増えると、20〜30年遅れて肺がん死亡率が増加することが示されている。一方、たばこの消費量が減ると、20〜30年遅れて死亡率が減少する(下図参照)。

国立がんセンター東病院の久保田馨氏提供

国立がんセンター東病院の久保田馨氏提供

 ファイザーは、昨年4月に全国の喫煙者9400人を対象に、ニコチン依存度の調査を行い、回答した喫煙者のうち7割がニコチン依存症であることを明らかにしている。ただし、ニコチン依存症の喫煙者のうち、自分がニコチン依存症であることを自覚している割合は6割に留まっていた。

 今回は、前回の調査に回答した9400人を対象に追跡調査を行った。得られた回答数は、7042人。調査は、インターネットを介して2009年3月27日から4月2日に行われた。

 その結果、過去1年間に禁煙に挑戦した喫煙者の割合は27.8%(1958人)と、4人に1人が喫煙に挑戦している現状が明らかになった。ただし、うち禁煙に成功したのは27.8%(544人)に留まっていた。また、禁煙成功率は、ニコチン依存症の場合、非ニコチン依存症に比べて顕著に低かった(非ニコチン依存症では48.4%、ニコチン依存症では22.8%)。

ニコチン依存度のスクリーニングテスト

 この結果に対して、日本禁煙学会理事長の作田学氏は、「ニコチン依存症という身体的にも心理的にもニコチンに依存してしまう病気が、禁煙成功を非常に困難にしていることを如実に現している」と分析する。

 また、禁煙に成功した544人のうち、「自分の意志のみ」で成功した割合は76.1%、何らかの禁煙補助薬(ニコチンパッチ、ニコチンガム、経口薬)を利用した割合は15.8%となっていた。

 禁煙成功者は禁煙してよかったことととして、「金銭的に節約できた」25.9%、「髪や服につくにおいが気にならなくなった」19.7%、「家族や友人など周りの人に喜んでもらえた」11.9%と回答していた。

 一方、禁煙に失敗した1414人は、禁煙に失敗した理由として「禁煙中のイライラに耐えられなかったから」37.9%、「ストレスを解消したかったから」21.8%などと回答していた。

 この点に関して作田氏は、「実際は、たばこへの依存が強くなった結果、ニコチンが切れるとストレスが生じており、たばこ自体がストレスの原因になっていることが正しく理解されていない」と指摘する。

 現在も喫煙している6498人のうち41.3%は「今すぐにでも禁煙に挑戦したいと思っている」と回答した。特に、過去1年に禁煙に挑戦している場合には、再度の禁煙への挑戦に意欲的であり、84.2%が「禁煙に挑戦したい」と回答していた。

 作田氏は、「禁煙を成功させるために一番効率的な方法は、医療関係者による適切な指導と禁煙補助薬による禁煙治療であることは様々な研究からも明らか。禁煙治療に保険が適応される医療機関の数も全国的に増加しており、より多くの喫煙者が禁煙治療を受けやすい環境が整っている」とし、禁煙を望む場合、特に禁煙が困難なニコチン依存症の喫煙者には適切な治療が必要であるとまとめた。

 今回の調査では、過去に5回以上の禁煙を試みつつも失敗している喫煙者の存在も示されており、禁煙の困難さを物語っている。より容易い禁煙法として、医療者の受診や禁煙補助薬の活用が進むことが重要だろう。

(小板橋 律子)

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