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レポート

2009/3/10

がんナビ読者アンケートから(No.4)

「医者の過酷さも限界を超えている」

 「がんで生き延びて元気に活躍している人の情報は、明るい希望を与える」「再発後の患者の生活について知りたい」「医者の(勤務状態の)過酷さも限界を超えている」。これらは、今回のがんナビ読者アンケートに寄せられた元患者さんおよび患者さんの家族の切実な声である。以下、元患者さんおよび患者さんの家族の声から主なものの抜粋を紹介する。

 調査の実施期間は、2009年1月13日〜2月1日。実施方法は、ネット調査システム AIDAを利用し、がんナビ通信およびインフォメーション等で告知し調査への協力を依頼した。回収数は162件だった(プロフィールは末尾参照)。<元患者さんの声>

■肺がんで余命1カ月を宣告されましたが、その際あらゆる情報を入手したのと同時に、前向きに取り組めるよう、がんで生き延びて元気にしている人の本も読み漁りました。厳しい状況から、諦めずに治療した結果、生き延びて、元気に活躍している人の情報は、明るい希望を与えると思います。私自身も闘病記を書こうと思いましたが、時間的に難しかったのが現実ですが・・・。

■がんってどうしても重い病気としてとらえられがち。だからこそヒトの生き方を変える可能性も大。

■1999年11月に早期胃がんのため4分の3を摘出し、抗がん剤・放射線治療・ホルモン剤投与の術後治療もなく、リンパ節移転がみられずに現在は日常生活の支障もなく平穏に生きている。だが他臓器への再発不安を常時抱いている。腹が痛い・喉が変など少しの変調でも、30年来のホーム・ドクターに診てもらい調剤などなく過ぎてきている。

■再発に不安を持ち続けている元患者です。再発後の患者の生活についてもっと知りたいと思います。取り上げられる話は感動的なものが多く私には遠く思えます。治療について、医師との関係、家族との関係など問題をあらわにして欲しいです。私だけではないんだとおもいたいのかもしれません。

■私自身も胃がんを発症、手術を経験しておりますが、自分では覚えのない状況で発症したと思っております。あるとすればその10年ほど前に罹った大病で、かなり強い薬を長年飲み続けたことが、胃に相当な負担を強いた結果だと確信しております。このような例は実際にあるのではないでしょうか。その辺りを掘り下げていただき、対症療法を語る前に、予防を煽っていただきたいものだと考えております。

■私は幸い職場の検診で、早期に乳がんが発見でき、ほぼ完治といえる状態になることができましたが、日本ではまだまだ国民の意識と予算が低すぎると思う。また、まだまだ保険で認められないもの、認められていても自己負担が高額になってしまうものが多く、お金のある人しか安心してがんにもなれないというのが現実です。医者の(勤務状態の)過酷さも、限界を超えていると思います。国及び国民全体で、意識して取り組まなくてはならないと思います。<患者の家族>

■高齢者や子どもが病気になった時には、経済的な側面や介護、看護の面である程度は行政の支援が用意されている。働き盛りの人たちががん患者になった場合、あるいは患者を看護することになった場合、現在は自己救済、または家族以外、何の支援も援助もないのが実態。家族に幻想を持っていないだろうか?家族のいない人も、一人暮らしの人も、かなり多い年代なのだが。

■患者目線でがん治療を行う医療者は少なく、がん患者さんの満足度が低いと思う。それを補完するためのNPO法人や患者会などが十分に活動できない現実もあるので、活動資金や人材などをきちんと関係者で供給し、情報を共有するようにしたい。

■私の母方の家系にはがんを発症している者が多く、祖父は喉頭がん、叔父も大腸がんを患っております。私自身は現時点では発症しておりませんが、早期発見の方法や海外や国内での治療の事例、新薬の開発状況などには非常に興味をもっております。がんになる確率を考慮しても、他人事ではなく今から「いつかは自分も」という観点で情報の収集をしております。また年齢的にも40歳をすぎて、まわりでもがんに限らず病気で長期療養を余儀なくされている仲間も出てきているので、医療全般、特にこころのケアも含めて注目していきたいと思っております。

■家族ががん患者になってみて、治療にあたる医療者と患者の意識・知識の差が気になっています。病状や治療方針、抗がん剤の選択、説明、効果と副作用、医療側にとっては「当たり前のこと」「よくあること」でも、患者側にとっては「分からないこと」「初めてのこと」だらけで、不安とモヤモヤした感じが常に付きまといます。ただし、患者の多い現状では医療側(医師)にそこまで求めるのは酷なのかなとも思います。医療側(医者)と患者の間で橋渡しをしてくれる人(フォローアップしてくれる人)がいるといいなあと思います。

■アメリカのがん治療の現状などを見ると「心のケア」という部分にも重きを置いている様子が見えて、非常に羨ましくなります。日本では「心」の問題は、置き去りにされがちだと感じています。患者本人を素人である家族でフォローアップしきれないときも多々ありますし、家族の方が潰れてしまいそうなことも多いです。特に年輩者の場合は「精神科」「心療内科」は敷居が高すぎて、受診に至らないことも多いため何らかの形でケアをする方法はないだろうかと思います。

■家族に肺がん患者がいます。末期患者が痛みをどうやりすごしていけばいいか、症状やその重さに対しての薬の量の調節や薬の種類など、指針になるようなサイトが、がん治療や予防に関するものほど見受けられません。医者はがんになったことがないので、実際にどのくらいで痛み止めの薬が切れてどんな風に苦しくなってくるか分らないので、とりあえず何種類かの痛み止めを渡すだけで患者が自分で飲み分けを工夫するしかありません。治る見込みがもうない患者やその家族の心のケアや、在宅での緩和ケア、なるべく痛みがひどくならずに最期が迎えられるようにできるような生活上の工夫やアドバイスなどがもっと欲しいと思います。

■がん医療で医者不信になったのも確かです。大学病院の医者はこちらが積極的に知識を持って治療法を提案しない限り、お決まりの化学療法を薦めてくることしかしませんでしたし、分子標的薬を再発後にすぐに使うことを最初、認めようとしませんでした。手術をした後に再発する可能性が高かったのにもかかわらず、再発防止のための薬も何も提案されませんでした。骨がずっと痛いと言っていたのに、骨シンチの検査もせず、半年の間、筋肉痛ではないかと放って置かれ、結局骨に転移していたことが分りました。今の時代、オーダーメイドのがん治療が必要と言われてきていますが、それを実現できる医療機関と医師を見つけるのは現状ではなかなか難しいことなのだと思い知りました。

■地方と都市部では治療に差があるように思う。抗がん剤が承認されるまでに時間がかかりすぎている。その間にどれだけの人が命を落としているか。

■抗がん剤治療を受けていた主人が「抗がん剤治療には副作用があるのは当たり前」と副作用を我慢してしまって副作用の悪影響をひどくしてしまいました。早めに抗がん剤を中止するなり、量を変えていただくとかの対処をしていただくために副作用のこういうものが現れたら要チェックというのを知っておきたかったです。

■国の医療政策の貧困さのために手間がかかる治療は病院経営を圧迫し、医師も訴訟問題のために治療を萎縮してしまう傾向もあります。がんは国民病であり、この克服に向け予算を大胆に振り向けるべきです。今後は、がんによる死亡率を低下させるためには、がんと共存して生活していけるような治療方法が必要です。そのためにも“均てん化”も必要ですが一方では“個別化”も必要です。そのためには国民一人ひとりが“がん”という病気を一般的な病気であるととらえ、政治に声を反映させていくことが今後益々必要になると考えます。

■再発予防や術後の生活のこととか、何に気をつけていけば治癒できなくとも共存できるのかという情報が知りたい。同じ境遇の患者さんのこともいれば、どういう生活をしているのか知りたい。

■最近、混合診療が認められることとなり、患者およびその家族にとって、とてもよいことであると思った。ほかにも、早急に改善すべきことがあると思うが、何故、改善がすすまないのかを行政の方々に真剣に考えていただきたいと思います。

■相変わらず、各医療機関における治療法の差異(得意/非得意な分野)が明確化されておらず、治療を受ける際の選択に大変苦慮している。また、難治性のがんになるほど、最近では、医療機関だけでなく、居住地域における治療レベル、検査レベルに乖離が大きく患者の選択肢を狭めている。

■同じ悩みを持つ人に相談ができたり、自分の考えていることを発信できるような患者や患者家族のコミュニティサイトとしての機能があるといいと思う。

■難しいかもしれませんが最善の診断方法・治療方法・医療機関・医師等、有料でも構わないので相談できるシステムがあればいいと思います。

*調査対象プロフィール:・回答者の立場;患者32.1%、元患者4.9%、患者の家族25.3%、医師4.9%、看護師3.1%、薬剤師5.6%、大学などの研究者1.9%、その他の医療関係者3.1%、製薬企業関係者13.6%、その他5.6%。・性別;男性56.8%、女性43.2%。・年齢;20〜29歳4.9%、30〜39歳24.7%、40〜49歳31.5%、50〜59歳24.1%、60〜69歳11.1%、70〜79歳2.5%。

 次回も、自由意見に寄せられた声を報告する予定。(三和 護)

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