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2009/1/6

脱毛も肌のくすみも対処法あり!

がん治療によるお顔の悩みをメイクで解消

 抗がん剤治療により、しばしば脱毛や肌のくすみなど、美容面でのトラブルが生じる。こうした美容面での悩みは、治療による体調不良の憂鬱さをさらに増幅することにもなりかねない。しかし、医療機関で患者へのメイクカウンセリング行っているビューティーカウンセラーの榎本美保子さんは「抗がん剤治療で起こりやすいお顔のトラブルは、上手にメイクすることで解消することができる」と語る。抗がん剤治療で起こりがちな眉毛や睫毛の脱毛、目の下のクマなどを上手にカバーし「元気が出るメイク」を榎本さんに教えてもらった。


「メイクの活用で前向きに過ごせる」と語る榎本美保子さん
「メイクの活用で前向きに過ごせる」と語る榎本美保子さん

 がんが見つかったとき、治療が優先されるのは当然のことだ。一方で、抗がん剤治療では、吐き気や倦怠感といった、体調面での副作用が出る以外にも、脱毛や肌のくすみ、かさつきなど、美容に関わるトラブルが起こることが少なくない。美容的なトラブルのために、ふさぎがちになったり、引きこもってしまうケースもあるようだ。

 しかし、長年、医療施設で「内面を元気にするメイク」をアドバイスしてきた榎本さんは、「気になっている部分はメイクでカバーできますし、普段よりも明るい色使いにして雰囲気を変えるだけでも気分が引き立ち、前向きに過ごすことができるようになります」と、メイクの効用を語る。

脱毛への対処法、眉毛の場合
 「抗がん剤治療を受けている患者さんの場合、一番多い悩みが脱毛です」と榎本さん。頭髪はもちろんのこと、眉毛や睫毛の脱毛や薄毛が起こり患者を悩ませるのだ。

 普段お化粧をするときに、眉を描く人は少なくないのですが、眉毛がなくなってしまったり、極端に薄くなると、どのように描けば良いのかわからず、従来のメイクができなくなるケースが多いということだ。しかし、「はがき大の紙が1枚あれば、その人にあった眉を描くことは比較的簡単」と榎本さんは語る。

 「まず、眉毛を描くときに大切なのは、眉毛の始まりである眉頭をどこに設定するかです」と榎本さん。眉頭さえ決まっていれば、眉山が多少ずれてもあまり違和感はないという。そして、眉と眉の間の距離は、その人の人差し指と中指の幅と同じだという。そのため、2本の指を顔の中心の鼻の上に置き、指の両端と眼の上の骨と当たったところが左右それぞれの眉頭になる。「まずは、アイブローペンシルで左右の眉頭のところに印を付け、目頭を決めておきましょう。その後、自分用の眉型を作り、それに合わせて眉毛を描いていけば失敗なく美しい眉が出来上がります」と榎本さん。

 眉型の作り方は下図の通り。「眉山が黒目の中心にくるように型を調整するといいでしょう。また、眉尻は、上唇の中心のへこみと目尻を結んだ線とぶつかるまでのばすときれいです」と榎本さんはアドバイスする。

眉型の作り方

脱毛への対処法、睫毛の場合
 眉毛と同じように脱毛してしまうものに睫毛がある。「睫毛は眼の輪郭を際立たせ、顔つきをキリッと前向きに見せる作用があります。ですから、睫毛が脱毛してしまった場合には、付け睫毛を利用することも考えてみてください」と榎本さん。

 付け睫毛というと、舞台化粧や若者のものと思うかもしれないが、市場には多様な付け睫毛が販売されている。「100円ショップでも販売しているので、試してみない手はありません」と榎本さんは力説する。また、付け睫毛そのものに抵抗のある人は、毛の量が少なく目立たないタイプを選び、さらに毛の長さを短くするなどして使ってみるといいという。

 初めて付け睫毛を付ける場合には、まずまぶたの際にアイラインを描くといいという。どこに付け睫毛をのせれば良いのかがわかりやすくなるからだ。

 また、付け睫毛はのりを使ってまぶたに付けるが、特に肌が敏感になっている治療中では、そののりでかぶれることがある。かぶれ予防としては、「ドラッグストアなどで売っているまぶたを二重にする“のり”を使うとかぶれにくいようなのでお試しください」(榎本さん)。

目の下のクマや肌のくすみにも対策あり
 眼の下のクマや肌のくすみも、抗がん剤治療中や治療後に多い悩みのひとつだ。

 榎本さんは、「眼の下は、皮膚が薄いため、血液の色が透けて見えやすいのです。午前中は酸素の多い血液が透けるので赤みがかり、夕方になると酸素が少なくなるため少し黒っぽくなります。いずれにせよ、血液は透けると青っぽく見えるので、その反対色であるオレンジ色のパウダーなどをはたくといいでしょう」と話す。

 また、「肌の色がくすんだからといって、ファンデーションの種類自体を変える方もいるようですが、肌が敏感になっている時期だからこそ、なるべく刺激を少なくするためにも、治療前から使っていたものと同じファンデーションを使うことを勧めています」ということだ。もし変える場合にも、以前から使っていたものと同じメーカーの敏感肌用などを使うといいという。それでは肌の色がくすんだままで困るという場合には、「紫のパウダーをファンデーションの上からのせると、一段肌色が明るくなるので試してください」と榎本さん。

 榎本さんは、「メイクでは、色選びも重要なポイント」と語る。顔色を良く見せ、気持ちも奮い立たせたいなら、少し明るめの赤などの口紅を使ってみることを勧めるという。その際のポイントは、「口紅を濃くしたらチークを弱めに、口紅を薄くしたらチークを強めにすること」。バランスが良くなるという。

 また、「朝、気分が乗らないな、と感じたら、チークを入れてみるとしゃきっとする効果もあります」ともいう。アイカラーなどの色をその日に着る洋服に合わせれば、いろいろな色を試せ、気持ちが華やぐかもしれない(下図参照)。「メイクを上手に楽しんで、気持ちを元気にするツールにしてください」とアドバイスする。

洋服の色に合うカラーチャート

(医療ジャーナリスト 武田 京子)


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