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レポート

2008/11/25

がんサバイバーの本音

これからは支える側にもなっていきたい

小児がん経験者の会「まりも」 國方 ひろみさん

 2008年11月14日〜16日に日本小児がん学会、日本小児血液学会などの合同総会が千葉県の幕張メッセで開催された。「がんの子どもを守る会」の創立40周年を記念した事業として、公開シンポジウム「小児がん患児家族の社会的サポート」も開催され、18歳のときに急性前骨髄球性白血病の治療を受けた國方ひろみさんが、自身の経験と共に小児がん経験者の会の活動の歴史を紹介した。

 私は、11年前の18歳のときに、急性前骨髄球性白血病と診断されました。北海道の地方の病院で治療を受けたため、同じ病気を経験した人は身近にはいませんでした。そのため、入院中も退院後も、不安や心配を相談できる相手がおらず、問題を一人で乗り越えたり、問題そのものを無視するしかありませんでした。とても心細かったことを覚えています。

 しかし、その後、小児がん経験者の会を通じて、同じ経験を持つたくさんの仲間に出会い、悩みを共有し、問題を一緒に乗り越えることができるようになりました。とても心強いと感じています。

日本の「小児がん経験者の会」は15年前に誕生
 日本における小児がん経験者の会は、15年前、2つのきっかけが重なって発足したと聞いています。

 1つは、経験者本人が、親の会である「がんの子供を守る会」に入会したいと直接電話してきたこと。もう1つは、会員から、「自分たち親は、病気の子どもを抱えた際に親の会に助けられたので、今度は、子ども達の会を作って欲しい」という要望があったこと。

 これらのきっかけから、本人達の会を作る時期に来ていると感じていたがんの子どもを守る会のソーシャルワーカーが呼びかけ、初めて「患児達の交流会」が開催され、11人が参加しました。参加者は皆、始めは緊張していたそうですが、自己紹介などを通じて、仲間作り、経験の共有、情報交換の場として有意義な場になったそうです。

 その後、バーベキュー大会も開催され、参加者からは「こんなにたくさんの白血病の患者に会ったのは始めて、探せばいるのですね」というコメントもあったそうです。当時、小児がんを経験した仲間になかなか出会う機会がなかったことが伺われると思います。また、「私と同じように病期を克服して、明るく生活している人達がいるということがわかり、とてもうれしく思いました」という感想もありました。

 何度かの親睦会を経て、自分自身の経験を語り合う定例会が誕生しました。仲間と共に明日を築いていこうという願いを込めて「Fellow tomorrow」と名付けられた活動は、がんの子供を守る会の会報誌「のぞみ」などを通して知られるようになり、その後、これまでに、全国各地に13の小児がん経験者の会が誕生し、各地域で活動するようになりました。

「経験者の会」は共に笑い、元気を得る場所
 私が所属している北海道の小児がん経験者の会「まりも」は、2006年に発足しました。メンバーは10人前後で、10代から20代です。月に1度、札幌近郊のカフェやレストランなどで集まっています。

 日々の体調の変化、闘病経験が自分に与えた不安など、問題そのものが解決しなくても、問題を共有することで心が軽くなります。悩みを共有することで、頑張って乗り越える力が付いてくるというのが、経験者の会の特徴だと思います。

 また、小児がん経験者の会というと、苦難に耐えるというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、参加者にとっては、共に笑い、元気を得るための心地良い場所となっています。

 実は、先日、大切な仲間がICUに入りました。「まりも」の皆で闘病中の仲間に、メッセージを届けました。「まりも」にまた参加することを目標に辛い入院生活を戦っていたと後で聞き、自分たちの活動は治療中の仲間にも励みになることを知りました。

後に続く小児がん経験者を支援したい
 小児がん経験者の会は増えつつありますが、まだ、そのような会がない地域もあります。経験者が皆、自分の居場所が見付けられるように、会が増えることを願っています。ただし、会の運営・維持には場所の確保や時間の調整、役割分担など課題があることも事実です。そのため、会を作りたい、運営方法などでアドバイスが欲しいという方は、ぜひ声をかけて欲しいです。会の運営で相談できるサポーターになりたいとも思っています。

 また、他地域の小児がん経験者の会では、治療中・治療後の子供達のためのキャンプや近所の病院でボランティアをしているところもあります。

 治療を終え社会に帰って行く小児がん経験者は増えており、がんの子供を守る会の「ゴールドリボン基金」のように小児がん経験者の社会的自立を支援する仕組みも誕生してきました。

 これらの支援に感謝しつつ、後に続く小児がん経験者、小児がん医療・支援に関わる関係者、そして、社会全体に有益な活動を積極的に行いたいと思っています。(まとめ:小板橋 律子)

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