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レポート

2008/9/24

がんサバイバーの本音

「一度は断った乳がんの遺伝子検査だけど、今なら受けるかも」

家族性乳がんの疑いでモヤモヤ

 33歳で乳がんの告知。自分の診断の6年前に母親も乳がんを経験。医師から家族性乳がんの疑いがあると言われ、遺伝子(BRCA1/2)を調べる臨床試験への参加を誘われた。両親とともに遺伝カウンセリングを受けたが、妹への影響などを考え、遺伝子検査は受けなかった。ただし、知ることが力・勇気になると思える今なら、何かのキッカケで遺伝子検査を受けるかもしれない。



 私自身が乳がんの診断を受ける6年前に、母が乳がんの診断を受けていました。そのときは、自分に何か影響があるとは夢にも考えず、母は母、自分は自分と思っていました。だからでしょうね、30歳頃から、乳首から出血があったのですが、気のせいにしたり、ネットで少し調べ始めても、"がん"という言葉にぶつかると、怖くなって止めてしまっていました。母にも相談できずにいました。

 32歳のとき、たまたま友人に人間ドックに誘われました。そのとき、気になる症状を聞かれたので、「乳首から血が出る」と回答したのです。少し検査してもらえるかな、くらいの軽い気持ちだったのですが、即、病院の外科に紹介されてしまいました。

 そして、33歳になったばかりの段階で、乳がんの告知を受けました。問診で、私自身のことだけでなく、母の乳がんについてまで詳しく聞かれたので、びっくりした記憶があります。そのときまで、自分の病気が"家族性"ということを意識したことはなかったためです。

 ただし、その後、治療を受けている間は、家族性に関しては何も聞かされませんでした。治療は、病変が乳房内に広がってしまっていたため、乳房切除が必要と言われました。ただし、間髪入れず、人工物で再建できるという話を伺い、乳房を失うというショックが和らいだように思います。術後の薬物療法は、ホルモン剤のみの投与を受けています。

いざ退院というときに"家族性の疑い"と聞かされた
 再度、家族性の話が出たのは、いざ退院というときでした。帰ろうとしているところに、若い担当医の先生がいらして、「年齢が33歳になったばかりということ、母親が乳がんということを考えると、家族性の疑いがある」というのです。そして、家族性乳がんに関する遺伝子検査の臨床試験に参加しないかと誘われました。

 臨床試験に誘われたときは、受けてみようかとも少し思いました。そこで、遺伝カウンセリングの外来に紹介され、両親と私の3人で、遺伝カウンセリングを受けました。また、自分自身もインターネットを利用して、乳がんの遺伝子検査に関して調べてみました。

 ただし、当時、乳がんの遺伝子検査に関する情報は非常に限られていました。また、受けることの不利益や、自分自身だけの問題ではないということも書かれていました。1歳下の妹への影響も考えました。また、遺伝カウンセリングを受けた後に、母から「(遺伝子検査を)受けないで欲しい」と言われたこともあり、臨床試験には参加しませんでした。検査の結果、変異が見つかったときに、母が受けるショックや自分自身が受けるショックを考えて踏み出せなかったように思います。未婚ということもあり、将来への影響も怖かった。

 また、ネットで調べた結果、検査の結果で何が変わるかというと、治療自体は変わらないようでした。変わるのは検診の頻度ぐらい。ならば、検診を自主的に受ければいいと考えたのです。実際、今も、乳がん、卵巣がん検診を定期的に受けるようにしています。

 一方、家族性が疑われた私の存在を見ている妹は、がん保険に加入し、また、毎年、マンモグラフィーを受けるなど、積極的な行動に出ています。遺伝子検査でシロ・クロ付けなくても、妹にはいい影響を与えることができたみたいです。

 ただ、実は、つい最近、同じ乳がんのお友達の一人が、遺伝子検査を受けたというのです。

 同じ病院で治療を受けた3人の友人と私で食事をした際に、その友人は何気なく、「そういえば、遺伝子検査受けたんだ。ずっと気になっていたから」と。彼女は、親戚に乳がんの方がいて、私と彼女の2人が家族性の疑いとなっていました。その報告に、私は内心、非常に動揺しましたが、それ以上に、他の友人が「どうだったの?」と平然と結果を聞いたことにもびっくりしました。遺伝子検査に関して、これだけオープンに話せるようになってきているのでしょうか。

 私が遺伝子検査の臨床試験への参加を誘われた頃は、すごく秘密にしなくてはいけない雰囲気がありました。遺伝子検査に関する解説の書類は、なぜかそれだけ封筒に入れて渡されましたし。そんな雰囲気からも、私自身、遺伝子検査はすごく秘密にしなくてはいけないものと思っていたように思います。

知ることは力・勇気になると思える今なら、受けるかも
 今なら、何かのキッカケで受けるかもしれませんね。だって、私は、乳がんという病気そのものを知らないから怖かった。でも、病気を知ることで、怖いという思いは無くなっていきました。知ることが力になり、勇気になるのでしょうね。

 これは遺伝子に関しても同じでしょう。遺伝子変異については、ずーと、どうなのかなぁ?そうなのかなぁ?というモヤモヤした思いがあるのです。また、対側の乳がんや、卵巣がんも心配です。遺伝子検査を受けたら、積極的に戦えるキッカケになりそうな気もしています。

 また、私は、Re-bornリボンの会という、若年性乳がん患者の患者会に入っています。この患者会の知り合いで、母親が卵巣がん、自分が乳がんなど、遺伝が関連しそうな方がいます。今後、リボンの会でも、乳がん・卵巣がんの遺伝について話してみてもいいかと思い始めたところです。

(まとめ:小板橋 律子)



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