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レポート

2008/8/26

都道府県がん対策推進協議会の患者代表委員アンケートから

患者代表の意見取り込みに地域格差

 昨年4月1日に施行された「がん対策基本法」。この法律に従い、各都道府県は「都道府県がん対策推進計画」を作成し、地域のがん対策を進めることとなった。この計画の策定には、患者代表委員が関わることになっている。このたび、患者代表委員を対象にしたアンケート調査がまとまり、各都道府県の推進計画作りにおける委員の活動状況が明らかになった。


 「各都道府県の患者代表委員を対象としたアンケートは、今回の調査が初めて」と語るのは、調査を行った、日本医療政策機構がん政策情報センターの埴岡健一氏。この調査は、同センターがコンタクト先を把握している全国53人の患者代表委員を対象に、今年5月に行われた。38人が回答した(回答率72%)。

感情に訴えるよりも理論的発言を重視
 その結果をみると、まず、患者代表委員は、感情に訴えることよりも理論的発言を重視していた(図1)。具体的には、「感情に流されずに、理論的に発言できる」ことを「大変重要である」と回答した委員は25人(65.8%)、「重要である」と回答した委員は12人(31.6%)であり、9割以上の患者代表委員が重要としていた。

 また、反対意見だけでなく、提案や対案を伴う発言を行うべきとも考えていることが明らかになった。「反対意見を述べるだけでなく、提案や対案を出せる」ことを「大変重要である」と回答した委員は25人(65.8%)、「重要である」と回答した委員は12人(31.6%)と(図2)、全員が提案や対案を伴う発言を行うべきと考えていた。

図1図2

自身が属する都道府県のがん対策推進計画への評価は二分
 策定されたがん対策推進計画に対する評価は大きく2分されていた。自身が属する都道府県のがん対策推進計画に対して満足できる内容になったかの問いに対して、肯定的な回答(「強くそう思う」2.6%、「ややそう思う」44.7%)と、否定的な回答(「あまりそう思わない」39.5%、「まったくそう思わない」2.6%)は、約半々となっていた。(図3)。

 満足した結果になったかどうかには、患者委員の意見ががん対策に反映されたかどうかが関係しそうだ。約半数の患者委員は、自分の意見が反映されたと答えていたが、残りの半数の委員は反映されていないと回答していた(図4)。

図3図4

 また、がん対策推進計画の策定において十分に活発な議論が行われたという回答と、これに関して、否定的な回答とが二分されており(図5)、がん対策推進協議会の議論においても、地域格差が存在していると推定される。

図5

滋賀県、奈良県、岡山県は依然計画策定できず
 「本来、都道府県のがん対策推進計画は、2008年3月末までに策定される予定となっていたもの」と埴岡氏が指摘するにも関わらず、アンケート調査時(今年5月)に、自治体のがん対策推進計画の策定が終わっていないとの回答が7人あったことは、気になる点だ。さらに、8月25日現在、滋賀県、奈良県、岡山県の3県が依然、がん対策推進計画の策定を終了していない。

 「策定が遅れるということは、その都道府県の地域住民が、がん対策の推進や向上で受けられるはずの恩恵を奪われているとも考えられる。また、がん対策に取り組む意欲が十分なのかという疑念も抱かせる。今後、取り組みが遅れた県ががん対策の巻き返しを図って、むしろがん対策の好事例をたくさん生む、先進県となることが期待したい」と、埴岡氏は締めくくった。

(小板橋 律子)


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