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レポート

2007/11/13

大事な検査なのは知っているが受けたくない

受診者からの悪評高いマンモグラフィの上手な受け方

 乳がん検診の重要性が叫ばれ、マンモグラフィ検査を受診する女性が増える一方で、一度受診で嫌な思いをしたことを理由に、定期的な受診を躊躇する女性が増え始めている。マンモグラフィ検査の上手な受け方を検討したい。



  「信じられないくらい痛かった」
  「おっぱいをギューギューと押しつぶされて、恥ずかしいし痛いし、もう受けたくない!」

 乳がんの早期発見のために重要な乳房専門のX線装置(マンモグラフィ)について、女性の井戸端会議では、もっぱら否定的なうわさ話に花が咲く。

 実際、乳房健康研究会が行った一般女性を対象にしたアンケート調査では、乳がん検診の重要性は理解しているものの、マンモグラフィ検査に対するマイナスのイメージが増加し、定期的にマンモグラフィを受けたいと思う割合が減少傾向にあることが明らかになっている。

  

 マンモグラフィ検査では、右上図にあるように、乳房を2枚の板で挟み、押しつぶした上でX線画像を撮影する(撮影画像は右下図参照)。乳房を薄く押しつぶせば押しつぶしただけ、きれいなX線画像が得られ、病変の見逃しも少なくなるといわれている。

 そのため、乳房は2枚の板に挟まれ、広く薄く引き延ばされる。痛みがなくても、みじめな気分を十二分に味わえる検査だ。

 しかし、乳がんは早期に発見できれば、治癒可能な病気であり、早期発見のためにもマンモグラフィは重要な検査の1つ。どうか一時のみじめさは我慢して欲しい。しかし、あまりに痛い場合は我慢にも限界があるだろう。

mammo2.gif

画像提供:GE横河メディカルシステム

 痛みのないマンモグラフィ検査を受けるための基本中の基本として、生理前は避けて欲しい。生理前は、乳房が一番張りやすいので、マンモグラフィ検査で痛みを感じやすいためだ。

ひっぱられて痛い場合
 「マンモグラフィ撮影時の痛みは、技師の技量によるところがある。痛みを感じさせずに検査ができる技師と、そうでない技師がいるのは事実」というのは、ピンクリボン運動を推進している乳房健康研究会副理事長の野末悦子氏。

 マンモグラフィ検査では、装置の角が当たったり、部分的にひっぱられて痛いという場合が多々ある。このような痛みは、いかに乳房を板の間に挟み込むかという技師の技量で差がでる。

 そのため、ひっぱられて痛い、角が当たって痛いという場合は、痛む部分を具体的に訴え、挟み方を工夫してもらおう。挟み方の工夫次第で痛みが収まれば、マンモグラフィ検査はもう怖くないはずだ。ぜひ、定期的に受診を続けて欲しい。

圧迫そのものが痛い場合
 しかし、ひっぱられて痛いというよりも、乳房を圧迫されること自体が痛いというケースも少なくない。

 技師は乳房を板で挟み、可能なかぎりきれいな画像を撮影する責務がある。得られた画像を読み、病変があるかどうかを確認する(読影)のは医師の仕事だ。そのため、技師はとにかく与えられたマニュアル通りに撮影を行おうとし、検診受診者の痛みは無視されがちになる。技師としては、うまく撮影できていなければ、後で医師に怒られるかもしれないからだ。

 ところが、「あまり痛ければ、圧力を少し緩めて検査をしても、問題はない」と岩手県立中央病院外科長兼乳腺外科長の大貫幸二氏は話す。マニュアル通りの圧迫は必ずしも必要ではない訳だ。

 乳房を圧迫して撮影すればよりきれいな画像が得られるが、二度と受けたくないというトラウマを持ってしまうよりは、適度に圧力を緩めてもらった方がいい。

 検査を受ける側が、検査内容を理解した上で、技師に交渉すれば、良心的な医療機関であれば対応してくれるはずだ。

 「圧力を下げることで、撮影の精度が下がることは知っているが、自分はこの痛みに耐えられそうもない。検査を断念するよりは、少し精度が下がっても検査を受ける方がいいと思うので、少し圧力を緩めて欲しい」という旨を丁寧に伝えてみて欲しい。

最後の手段、超音波検査を優先
 圧迫を緩めても、やはり痛くてがまんでない場合は、思い切ってマンモグラフィ検査をあきらめ、他の検査に切り替えるという手段もある。

 大貫氏は、「マンモグラフィ検査が痛い女性は、乳腺密度が高いので、超音波検査の方が適している」という。乳がんの早期発見に有効な検査は、マンモグラフィだけではない。超音波検査でも病変を見つけ出すことはできる。

 また、マンモグラフィ検査が乳がんの早期発見に威力があるのは、50歳以降。現在、日本では、40歳からマンモグラフィ検査が推奨されているが、精度は50歳以降よりも下がるのは周知の事実。40歳未満については、マンモグラフィ検査の有効性ははっきりと証明されていない。

 マンモグラフィ検査の推奨が年齢によって違うのは、若いほど乳腺が発達しているため。マンモグラフィ検査では、乳腺と病変の区別が難しく、乳腺が発達している乳房では検査の精度が落ちるのだ。また、乳腺が発達している場合、圧迫に伴う痛みも生じやすい。

 乳がんの検診の重要性が叫ばれる昨今、女性は皆、無条件にマンモグラフィ検査を受けなくてはいけないと誤解している人も少なくないだろう。しかし、マンモグラフィ検査には、長所もあれば短所もあること、この検査が適する人もいれば適さない人もいることを理解した上で、うまく活用して欲しい。

(小板橋 律子)

●マンモグラフィ検診の受診のコツ
・乳房が張っている生理前を避けて受診する
・ひっぱられて痛い場合は、率直に伝えて対応してもらう
・圧迫が痛い場合は、圧力を少し下げてもらう
・それでも痛い場合は、超音波検査を優先する

◆関連サイト
乳房健康研究会


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