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レポート

2007/7/3

人気のサイト分析で知る訪問者の行動様式やニーズ

がん情報の入手はやっぱりインターネット!?

 開発中の抗がん剤から健康食品に至るまで、がんに関するさまざまな情報がネット上に氾濫している。一口にがん関連サイトといっても星の数ほどあるが、その中でも多くの人がアクセスするのはどのようなサイトなのだろうか? また各サイトの訪問者のライフスタイルや求める情報とは? このたび日本語のがん関連サイトについて、詳細な分析を行なった厚生労働省研究班の調査結果の一部を紹介する。




 がん関連サイトの分析結果を報告したのは、帝京大学医療情報システム研究センター長の中田善規氏らのグループ。厚生労働省第3次対がん戦略事業「情報工学等の連携による国民・患者のリテラシー向上に関する研究」の一環として、2006年度に既存のがん関連サイトの実態を調査した。主任研究者の中田氏によれば、日本語のがん関連サイトについて詳細に検討した研究は今回がおそらく初めてだという。

 同氏らは、まず日本語で書かれた既存のがん関連サイトの中から最もアクセス数の多いものを300サイト選定、それらのサイトの属性・開設者・他サイトとのリンクなどのプロフィールについて調べた。サイトの抽出には、ヤフー(Yahoo!)を使った。検索エンジン関連の会議「Search Engine Strategies 2006」によれば、日本全体での検索エンジン使用比率は、ヤフー65%、グーグル(google)35%、msn16%――と推定されているためだ。なお、サイト分析・調査には、ライトワークス社長の江口夏郎氏、ウェブアクセス調査の専門家である延江俊輝氏(マイカイソリューションズ・リミテッド代表取締役)らの協力を得た。

 調査では、まずオーバーチュア(ヤフーの広告代理店)のキーワードアドバイスツールを用い、「大腸がん」「白血病」「イレッサ」「国立がんセンター」「がん保険」など、月間検索件数が3000回以上のがん関連キーワードを96個選定し、そのキーワードをもとにヤフー検索を行なった(2006年9月時点)。キーワード毎の月間検索数の重みを考慮して約2000サイトを抽出、さらに明らかにがんと無関係のサイトや重複を除外し、検索結果の表示順位、重複登場数、グーグルのPageRank(ページ単位での人気度を示す指標)の3点で各サイトをスコアリングし、最終的に上位300サイトを決定した(最下段に上位20の表)。

 これによると、「国立がんセンター」のスコアが際立って高く、影響力が非常に大きいことが分かった。一方で、「がんに効く」とされる健康食品系のサイトの数が、医療関連サイトの数を上回る結果が得られた点も注目された。

闘病記系サイトの訪問者は「仲間を求めている」
 次に同氏らのグループでは、抽出された300サイトを対象に、各サイトのプロフィール(誰に対して何を目的としたサイトなのか)や、各サイトの訪問者が他に訪問しているのはどのようなサイトなのか――について調べてみた。この結果によると、サイト訪問者の行動特性は、サイトの提供元タイプや、サイトの提供目的などによって大きく異なっていた。

 例えば、サイトの提供元による分析では、医師個人サイトや患者個人サイトの訪問者は、各種のサイトをまんべんなく訪問する傾向がみられたが、がんセンターなどの独立行政法人が提供するサイトの訪問者は、省庁系との関連が強く、個人サイトなどはあまり閲覧していなかった。

 また、闘病記系サイトの訪問者は、他の闘病記やウェブコミュニティへの訪問率が高く、「仲間を求めている」ことがうかがわれた。訪問者の傾向が極端だったのは保険販売サイトで、保険販売サイト以外、ほとんど閲覧していなかった。つまり、「保険販売サイトの訪問者は、がん患者ではないと考えられる」(中田氏)というわけだ。また、医師会系サイトの訪問者(主に医師と推察される)は、医師会系サイト以外はあまり見ていなかった。

検索ワードは「病名」中心の傾向
 さらに各サイトに対する訪問者行動を詳しく知るため、25サイトをピックアップ、訪問者のライフスタイルや訪問動機などを推定するための分析も行なった。

 まず、時間帯別、曜日別などの分析から、訪問者のライフスタイルを推定してみたところ、国立がんセンターのような病院系サイトでは、土曜日のアクセス数が最も低く、次に日曜日が低かった。前提としてビジネス目的での利用でないことを考慮すると、利用者は「平日の方が自由時間が多い人」、つまり主婦層や無職層の利用が多いことがうかがえるという。

 逆に闘病記系サイトでは、ほとんど曜日変動がなく、また夜間にアクセス数のピークが来ているという特徴が見られた。このことより、訪問者は典型的な「余暇利用型」であると同時に、通常のサラリーマンのような拘束時間を持たない、自営業・自由業タイプが多いと考えられる。

 一方、サイト訪問者の訪問動機を探る有用な指標として「検索ワード」がある。検索ワードによる分析では、病院系サイトの場合、施設名での来訪率が非常に高かったが、闘病記系サイトでは症例・症状を中心とした検索が多く、闘病中の生活関連キーワードでの来訪は少ないことが分かった。全体的にみれば、症例(病名)でサイトを訪れているケースが多く、当然かも知れないが、乳がんや前立腺がんなど専門できれいに分かれており、自分の病気の情報を欲しがっていることがうかがえた。

人気サイトでも情報は玉石混交

がんナビに関する情報の入手先と有用性イメージ

 最後に、同グループでは、サイト訪問者個人へのアンケート調査も実施している。がん患者およびその近親者に直接アプローチしやすいという観点から、mixi内で協力者を募集した。「どういうチャネルを通じてがんに関する情報を得ることが多いのか」についての調査では、書籍や新聞、テレビなどあらゆるメディアの中でも、「インターネットからの情報入手が多く、かつそれが有用な情報と考えられていることが判明した」(中田氏)という(図右)。

 このように今回の報告では、インターネットはがん情報を得るのによく利用されていることが分かった。しかし、「人気サイトといえども、情報の質は玉石混交。教科書の切り貼りみたいなサイトや、10年近くも更新していないなど、情報の垂れ流し的なサイトも多くみられた」と中田氏は指摘する。

 2006年度の調査結果を踏まえて同研究班では、2007年度は、よりユーザーにフレンドリーながん関連ホームページの作成を試みる予定だ。「せっかくのインターネットなので、ゲームやeラーニングのような形式もできるだろう。手術療法など、医療現場での患者への説明を補足できるようなものになればと考えている」と同氏は抱負を語っている。

(瀬川 博子)


表●よく見られたサイト 上位20 (※2006年9月時点の調査結果)

注:このリストに関して、がんナビ編集部が各サイトの信頼性を保証するものではありません。

 
サイト名
運営主体
サイトの内容
1
国立がんセンターホームページ 国立がんセンター がんに関する網羅的な情報、診療案内、研究情報
2
東洋漢方相談所 東洋漢方相談所 病気の相談案内
3
乳がん.JP アストラゼネカ 乳がんに関する総合情報
4
大腸がん検診治療研究所 大腸がん検診治療研究所 郵送による大腸がん検診
5
わかりやすい白血病の話 名古屋大学医学部 疾患の病態・分類・治療法などを解説
6
白血病 病気辞典(独協医大提供) 感染症、生活習慣病、悪性腫瘍、神経・精神疾患など項目別にQ&A形式で解説
7
肺がん治療ネット 東京慈恵会医大 医療情報を患者・家族に提供。米国国立癌研究所(NCI)の文献の翻訳も
8
子宮・卵巣がんのサポートグループ あいあい のページ 患者グループ 病気の体験や情報を共有化していくボランティア団体。活動内容の掲載
9
"What''''''''s前立腺がん" アストラゼネカ 患者とその家族に向けた医療情報。治療法の紹介や専門医のコメン ト
10
乳がんホームページ 患者体験記サイト 乳がん体験者による体験記、情報提供
11
すい臓がん相談センター 膵臓がん相談センター 膵臓がんの原因、症状、検査法
12
がん Info (財)国際医学情報センター 米国立がん研究所(NCI)が提供するデータベースの患者向け情報を翻訳
13
子宮がん治療は 遺伝子ミネラル療法 ミネラル療法診療所 遺伝子ミネラル療法の案内
14
癌研有明病院 癌研有明病院 がんの基礎・臨床研究を行う。研究所、付属病院、癌化学療法センタ ーの紹介
15
がんサポートキャンペーン NHK 患者体験談、料理レシピ集、がん用語の解説、関連リンクの掲載
16
がん情報サイト Cancer Information Japan (財)先端医療振興財団(一部、文部科学省委託事業) アメリカ国立がん研究所(NCI)が配信するがん情報の日本語翻訳を掲載
17
子宮がん 新潟県立がんセンター新潟病院 診療案内、がんおよび各種疾患に関する情報
18
プロポリス専門のディオーネ Dione Corporation プロポリスを中心としたサプリメントの販売
19
フコイダンマート フコイダンマート フコイダン専門店
20
ライフサイズ ガン アメリカンホーム保険 自動車保険、海外旅行保険などの損害保険商品の紹介と通信販売を行なう

※文中の図表はすべて中田氏らのデータをもとに編集部で作成


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