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2007/5/15

キーパーソンズボイス

期待の腎細胞がんの分子標的治療薬 でも副作用には細心の注意が必要です

慶應義塾大学医学部泌尿器科学専任講師・大家基嗣氏

 欧米では腎細胞がんの第1選択薬として分子標的治療薬が推奨されている。日本国内でも開発が進む分子標的治療薬の評価をめぐって日本泌尿器科学会総会(4月14日から17日、神戸市)では活発な議論が展開された。企画「Debate」で、分子標的治療薬について講演した大家氏(写真)に、改めて聞いた。

−− 腎細胞がんでは、がん抑制遺伝子の一つであるVHL遺伝子(von Hippel-Lindau遺伝子)の変異が、非常に大きな意味を持っているのですね。

大家 腎臓がんの8割は淡明細胞がんであり、そのうち約6割にVHL遺伝子の変異が認められます。VHL遺伝子はがん抑制遺伝子で発がんの初期過程に関わっています。VHL遺伝子は転写調節因子HIF(hypoxia inducible factor)の分解に関与していますが、HIFは腫瘍細胞の増殖因子であるTGFα、腫瘍血管の増殖を促すPDGFの遺伝子、VEGFの遺伝子の転写を促進します。したがって、VHL遺伝子が変異を起こすとHIFを分解する働きが低下し、逆に増殖因子が過剰に生産され、結果的に腎細胞がんの発生や増悪の原因になると考えられます。

 しかし、VHL遺伝子の変異だけでは、残り4割の淡明細胞がんの発症は説明できないので、「VHL遺伝子変異だけが原因」とは言い切れません。また、淡明細胞がんのほかに3種類の腎細胞がんがありますが、それらにはVHL遺伝子変異は認められませんが、「少なくとも半分の腎細胞がんはVHL遺伝子変異と深い関係がある」ということは言えると思います。

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