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レポート

2007/5/2

キーパーソンズボイス

がん医療の均てん化は長期戦の覚悟で臨む

国立がんセンター名誉総長 垣添忠生氏に聞く

 がん診療連携拠点病院制度がスタートしたが、「まだまだ不十分」という声も上がっている。国立がんセンター総長として、この制度の立案にあたった垣添忠生氏はこうした声をどのように聞いているのだろうか。

―― がん診療連携拠点病院の制度が発足しましたがいろいろな不満や注文が患者団体や一部医療関係者、マスコミなどから出ていますね。

垣添 私は、現在のがん診療連携拠点病院の制度が完璧なものだとは全然思っていません。でも、重要な第一歩であるとは思っています。 一つはわずかですが、経済的なインセンティブをつけることができたということ。 経済的な基盤がなければ制度は実効性のあるものになりません。金額的にわずかでありますが、これは大変意義があることだと考えています。 それともう一つの意味は答申に患者さんの声を取り入れたことです。答申をまとめるワーキンググループに4つの患者団体から代表者に来ていただいて、話をしていただきました。

―― 今後は指定を受けた病院の医療をどのようにレベルアップしていくのかという話になりますね。

垣添 一足飛びに理想に到達できない現実があります。例えば、放射線治療ができなくてもがん診療連携拠点病院に指定され得ることに疑問や批判があることは承知しています。しかし現在、国内に放射線治療ができる医師はたった500人しかいません。 当然ですが病院間で連携して放射線治療を行うという地域が出てきていいと思います。患者さんも自動車で1時間程度のところであればそこへ通院して放射線治療を受けるということが必要になります。 放射線だけではなく、難しい手術や化学療法なども、患者さんも家族も意識を変えてほしい。どんな医療も身近の医療機関で受けることができるというわけにはいきません。 そういうことをすることによって、過渡期の状況を乗り越える。10年たてば、事情は大きく変わっているはずです。

―― 10年かかりますか。

垣添 人材育成の問題ですから、時間はかかります。現在、厚生労働省とともに文部科学省もそのようながん医療均てん化を実現するための人材を医学部や大学院でどのように養成するかについて、施策を具体化しつつあります。

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