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2007/2/27

将来の不安に備えるための1つのオプション

がん経験者が入れるがん保険

 がんの治療費は高額になることが多い。経済的負担に備える方法の1つとしてがん保険があるが、がん経験者はがん保険には入れないのというのがこれまでの常識。しかし現在、この常識を打ち破るがん経験者向けがん保険が登場している。



 医療技術の進歩により、がんの治癒率は向上を続けている。その一方で、高額な医療技術や薬剤も増え、患者の経済的負担は高まるばかりだ。そのため、治療費の問題から治療を維持できないケースも出てきている。

 将来のがんに対する不安にがん保険への加入で備える人は多く、現在、国内の加入数は1800万件程度といわれている。その一方で、治癒率の向上とともに増加しているがんサバイバー(がん経験者)はがん保険に加入できないと一般に認識されており、がん経験者でも入れるがん保険の存在はあまり知られていないようだ。

 がん経験者でも入れるがん保険は、現在、国内に2種類ある。1つは、アフラック(アメリカンファミリー生命保険)が、がんの治療終了日から10年経った50歳から80歳を対象に商品化している「優しいがん保険」。過去に罹患したがんの種類は問わず、保険料は契約時の年齢で決まる。保険加入後にがんに罹患した場合、入院給付金は入院日数・入退院の制限なく、在宅療養給付金も回数に制限なく保障している。

 もう1つのがん経験者向け保険は、セコム損害保険の「メディコムワン」だ。この保険は、乳がん経験者のみを対象にしている。加入時の年齢、乳がんのステージ、乳がんの手術時からの経過期間の3つの要素で保険料が決まる仕組みだ。

 ステージ0の場合は手術日から6カ月後、ステージIでは1年後、ステージIIでは3年後、ステージIIIとIVでは6年後から保険に加入することができる。

それぞれに特徴と長所・短所
 アフラックのがん経験者向け「優しいがん保険」は、過去に罹患したがんの種類は問わないので、がん経験者は誰でも加入できる。ただし、治療終了後から10年経過していることが加入の第一条件。そのため、利用者からすると、加入できるようになるまでの時間の長さが短所といえる。

 一方のセコム損保のがん保険は、自由診療をカバーする「メディコム」の姉妹商品として誕生した経緯がある。そのため、抗がん剤の適応外使用や未承認抗がん剤の使用、保険収載されていない重粒子線や免疫療法などの先進医療まで、高額な治療をすべてカバーしている。カバー対象の判定は、国際的な診療ガイドラインに沿った診療であること。保険収載されているか否かは問わないシステムだ。

 先進医療に占めるがん患者数の多さも明らかになっており、経済的な心配をしないで、保険診療の枠を超えた治療も受けたいと考えるがん経験者には、「メディコムワン」は魅力的な商品かもしれない。ただし、問題は保険料の高さ。特に、ステージの高い乳がんを経験している場合、月額保険料が2万円以上になる場合もある。

 これら2つのがん経験者向けがん保険、それぞれ特徴があり長所短所もあるが“がん経験者はがん保険に加入できない”という一般常識を打ち破った商品だ。

 アフラックの「優しいがん保険」が発売されたのは1999年。同社の20周年記念事業として商品化したという。また、セコム損保も、元患者の要望などを元に社会貢献の意味も込めて、2006年8月に「メディコムワン」を商品化したと語っている。

 2つのがん保険とも、現在のところ加入者数は非常に限られているようだ。「商品の性質上、積極的な営業が難しい」とセコム損保事業開発部担当部長の大野文吾氏がいうように、認知度が低いことがその一因かもしれない。

 民間の医療保険への加入は、将来の不安に備えるための1つのオプションにすぎないが、がん経験者でも入れるがん保険の中身について、一度検証しておいて損はないだろう。

(小板橋 律子)


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