このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

Report レポート

レポート一覧へ

新着一覧へ

レポート

2007/2/6

高額ながん治療費、患者負担も重く

高度先進医療費の9割弱をがん治療費が占める

 実際に行われている高度先進医療に占めるがん治療の割合の高さから、がん患者は他の疾患に比べて、保険診療の枠を超えた治療法に対する需要が高いことが明らかになった。また、がん関連の治療費は高額なものが多く、患者の負担の大きさも浮き彫りになった。


18年度の高度先進医療費(総額約37億円)に占めるがん関連の治療費

 がんナビ編集部が厚生労働省の発表資料を基に集計したところ、高度先進医療の治療費の9割弱をがん治療費が占めていることが明らかになった。また、がん治療費の91パーセントが粒子線治療(陽子線、重粒子線)による治療であった。これは、18年度の高度先進医療の実績を基にしている(※注釈1)。

 18年度(2005年6月1日〜2006年6月30日)の高度先進医療費の総額は約37億円、うち32億円が、がん関連の治療費であった。約86パーセントをがん治療費が占めていることになる。また、全患者数4166人のうち、がん患者は約68パーセントの2816人となっており、高度先進医療を利用した疾患名としても第1位といえそうだ。

 年間の実施件数が最も多かった技術は、「悪性黒色腫もしくは乳がんにおけるセンチネルリンパ節の同定と転移の検索」(622件)。2位は「悪性腫瘍(固形がん)に対する粒子線(陽子線)治療」(533件)であった。3位は「インプラント義歯」(485件)でがんの治療以外となっていたが、次ぐ4位は「固形がんに対する重粒子線治療」(453件)とがん治療技術であった。

18年度の高度先進医療をうけた全患者(4166人)に占めるがん患者数(2816人)

 厚生労働省によると、悪性黒色腫と乳がんを対象としたセンチネルリンパ節の同定は保険診療の枠に入れる方向で、近いうちに議論を始める計画になっている。一方、粒子線治療(重粒子線、陽子線)に関しては、当分は先進医療の枠内にとどまるだろうという。

 高度先進医療費は医療機関により治療費が異なるが、医療総額を実施件数で割り算した一件当たりの平均医療費は、「生体部分肺移植」(318万9517円)がトップとなっていた。次ぐ2位は「重粒子線治療」(310万7095円)、3位は「陽子線治療」(285万1409円)となり、がんを対象とした陽子線治療と重粒子線治療がトップ3位に入っていた。

 陽子線治療、重粒子線治療は、実施件数だけでなく平均医療費も桁違いに高い。そのため、これら2つの粒子線治療を合わせた年間の治療費は29億円を上回っており、高度先進医療全体の治療費の8割弱を占めていた。

 加えて一件当たりの平均医療費の第4位にがん関連の治療技術である「脊椎腫瘍に対する腫瘍脊椎骨全摘術」(201万6400円)が、6位に「HLA抗原不一致の血縁ドナーからのCD34陽性造血幹細胞移植(※注釈2)」(122万1400円)が入っていた。

 すなわち18年度の高度先進医療技術のうち、100万円を超える治療技術トップ6件のうち4件が、がん関連の治療技術であり、がん関連の治療技術の費用の高さが浮き彫りになった。

(小板橋 律子)

※注釈1
 高度先進医療として認められている技術数は、2006年6月30日現在で113件であった。今回の集計では、主にがんを対象とする治療技術として33件を抽出し、その医療費、患者数を集計した。ただし、がんも治療の対象に含む技術はこの33件以外にもあるため、高度先進医療を利用した実際のがん患者数は、今回の集計数よりも若干異なる可能性がある。
 また、高度先進医療は、法律の改定により2006年10月1日から「先進医療」に統合されており、現在、高度先進医療という枠組みは無くなっている。

※注釈2
 「HLA抗原不一致の血縁ドナーからのCD34陽性造血幹細胞移植」は、HLA適合ドナーがいないために、造血幹細胞移植が受けられない小児がんや難治性造血障害、免疫不全症を対象にしており、がん以外の患者がこの治療を受けている可能性がある。


※「がんナビ通信」(週刊:購読無料)を配信中。 購読申込はこちらです。

この記事を友達に伝える印刷用ページ