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2018/6/14

EGFR変異陽性NSCLCの1次治療でベバシズマブとエルロチニブ併用のPFSは17カ月、国内フェーズ3試験の結果【ASCO2018】

八倉巻尚子=医学ライター

 未治療のEGFR変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に対し、ベバシズマブエルロチニブの併用はエルロチニブ単剤に比べて、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長させ、PFS中央値は約17カ月であることが、フェーズ3試験NEJ026で明らかになった。聖マリアンナ医科大学呼吸器内科の古屋直樹氏らが、6月1日から5日までシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で発表した。

 ベバシズマブとエルロチニブ併用による1次治療は、エルロチニブ単剤に比べてPFSを有意に延長させる可能性が、国内のランダム化フェーズ2試験JO25567で示唆されている(Seto T et al. Lancet Oncol. 2014;15:1236-44)。そこでフェーズ3試験が実施された。

 フェーズ3試験は、化学療法による治療歴がない3B期/4期または術後再発の非扁平上皮NSCLCで、活性型EGFR変異(エクソン19の欠失あるいはエクソン21のL858R変異)を持つ患者を対象に行われた。無症候性の中枢神経系転移の患者は登録可能とした。ベバシズマブとエルロチニブを投与する群(ベバシズマブ併用群)とエルロチニブ単剤群にランダムに割り付け、性別、喫煙状態、臨床病期、EGFR変異の種類で層別化した。
 
 ベバシズマブ15mg/kgを3週おきに静注、エルロチニブ150mgを連日投与した。ベバシズマブ併用群でPDになった場合は、プラチナ系製剤+ペメトレキセドおよびペメトレキセド維持療法を行った。エルロチニブ単剤群では、プラチナ系製剤+ペメトレキセド+ベバシズマブおよびペメトレキセド+ベバシズマブによる維持療法を行った。
 
 主要評価項目は独立評価委員会によるPFS、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率、安全性、QOLとした。また探索的評価項目として、組織検体と血液検体を用いたバイオマーカー解析、ならびにNEJ026試験とJO25567試験の統合OS解析が設定されている。

 2015年6月3日から2016年8月31日までに228人が登録し、条件を満たした224人(ベバシズマブ併用群112人、エルロチニブ単剤群112人)を対象に解析を行った。2群の患者背景はバランスがとれていた。年齢中央値はベバシズマブ併用群67歳、エルロチニブ単剤群68歳で、男性がそれぞれ36.6%、34.8%、非喫煙者が58%、57.1%を占めた。エクソン19欠失が50%、49.1%で、中枢神経系転移のあった患者が両群とも32.1%だった。

 事前に計画された中間解析のデータカットオフは2017年9月21日、PFSイベントは117人、観察期間中央値は12.4カ月であった。

 独立評価委員会によるPFS中央値はベバシズマブ併用群16.9カ月、エルロチニブ単剤群13.3カ月、ハザード比0.605(95%信頼区間:0.417-0.877)、ログランク検定p=0.01573(両側)だった。中間解析での有意水準を0.02398と設定していたことから、主要評価項目に達した。また治験担当医師によるPFS中央値はベバシズマブ併用群16.6カ月、エルロチニブ単剤群12.4カ月、ハザード比0.563(95%信頼区間:0.394-0.804)、ログランク検定p=0.00057(両側)だった。サブグループ解析でもPFSはベバシズマブ併用群で良好であった。

 EGFR変異の種類別に、エクソン19欠失の患者では、PFS中央値がベバシズマブ併用群16.6 カ月、エルロチニブ単剤群12.4カ月、ハザード比0.69(95%信頼区間:0.41-1.16)だった。エクソン21のL858R変異ではベバシズマブ併用群17.4 カ月、エルロチニブ単剤群13.7カ月、ハザード比0.57(95%信頼区間:0.33-0.97)であった。

 奏効率はベバシズマブ併用群72.3%、エルロチニブ単剤群66.1%だった(p=0.311)。エルロチニブ単剤群では4人に腫瘍増大が見られ、早期抵抗性を示したが、ベバシズマブ併用群では腫瘍増大は見られなかった。

 エルロチニブの治療期間中央値はベバシズマブ併用群で405日、エルロチニブ単剤群は364日、用量強度の平均はそれぞれ121.7mg/日、127.3mg/日、有害事象による投与中止が18.8%、15.2%だった。ベバシズマブの治療期間中央値は350日、有害事象による中止は29.5%であった。

 グレード3以上の有害事象がベバシズマブ併用群で56.3%、エルロチニブ単剤群で37.7%、重篤な有害事象がそれぞれ8%、4.4%に見られた。有害事象による死亡はなかった。

 ベバシズマブ併用群では出血、蛋白尿、高血圧が有意に多かったが、いずれも管理可能であった。エルロチニブ単剤群では5人で間質性肺疾患が認められたが、ベバシズマブ併用群ではなかった。

 以上のように、ベバシズマブの併用で有意にPFSが延長し、良好な忍容性も認められたことから、ベバシズマブとエルロチニブの併用はEGFR変異陽性NSCLCの新たな標準治療と考えられるとした。

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