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2018/6/13

PD-L1の発現が1%未満の進行NSCLCに対する1次治療としてニボルマブ+化学療法がPFSを延長、TMB高レベルでのみ効果【ASCO2018】

森下紀代美=医学ライター

 進行非小細胞肺癌NSCLC)で腫瘍のPD-L1の発現が1%未満の患者の1次治療として、ニボルマブと化学療法の併用は、化学療法のみと比べてPFSを延長し、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベル(10変異/メガベース以上[mut/10Mb])の場合にベネフィットが得られることが、フェーズ3のCheckMate 227試験から示された。6月1日から5日まで米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で、米国Fox Chase Cancer CenterのHossein Borghaei氏が発表した。

 CheckMate 227試験は複数のパートで構成され、進行NSCLC患者の1次治療として、ニボルマブとイピリムマブの併用、ニボルマブ単剤、ニボルマブと化学療法の併用を化学療法と比較している。主要評価項目の1つは達成され、TMBが高レベルの患者における無増悪生存期間(PFS)は、化学療法と比べてニボルマブとイピリムマブの併用で有意に延長した。効果はPD-L1の発現や組織型に関わらずに得られた。もう1つの主要評価項目は、PD-L1で選択した患者の全生存期間(OS)である。

 今回は、副次的評価項目である、腫瘍のPD-L1の発現が1%未満の患者におけるニボルマブと化学療法の併用と化学療法のみのPFSについて、記述的分析(descriptive analysis)が行われた。

 試験の対象は、IV期または再発のNSCLCで、全身療法未施行、既知のEGFR遺伝子変異またはALK遺伝子転座陽性がない患者だった。腫瘍のPD-L1の発現が1%以上の患者は1189人、今回の解析対象である1%未満の患者は550人で、ニボルマブ3mg/kgを2週毎、イピリムマブ1mg/kgを6週毎に投与する群(ニボルマブ+イピリムマブ群)、ニボルマブ360mgの3週毎の投与と組織型に基づく化学療法を行う群(ニボルマブ+化学療法群)、化学療法のみを行う群(化学療法群)の3群に、ランダムに割り付けた。治療は最長2年まで継続した。

 ニボルマブ+化学療法群177人、化学療法群186人となり、ベースラインの患者背景に偏りはなかった(ニボルマブ+イピリムマブ群は187人だった)。扁平上皮癌の患者は約24%、TMBが高レベル(10mut/Mb以上)の患者は約44%含まれた。最短追跡期間は11.2カ月だった。

 PFSは、化学療法群と比べてニボルマブ+化学療法群で延長し、PFS中央値はそれぞれ4.7カ月、5.6カ月、ハザード比0.74(95%信頼区間:0.58-0.94)となった。1年PFS率は、化学療法群の14%に対し、ニボルマブ+化学療法群は26%だった。

 奏効率は、ニボルマブ+化学療法群36.7%、化学療法群23.1%、奏効期間中央値はそれぞれ7.2カ月、4.7カ月、奏効期間が1年以上持続したのは28%、24%だった。

 PFSのベネフィットは、ほとんどのサブグループでニボルマブ+化学療法群に認められた。組織型別のサブグループでは、ベネフィットは扁平上皮癌(未調整のハザード比0.92)と比べて非扁平上皮癌(同0.68)でより顕著だった。

 さらに、腫瘍のPD-L1の発現が1%未満の患者では、TMBが高レベル(10mut/Mb以上)の場合に、ニボルマブ+化学療法群でPFSのベネフィットが得られることも示された。PFS中央値は、ニボルマブ+化学療法群6.2カ月、化学療法群5.3カ月、ハザード比0.56(95%信頼区間:0.35-0.91)だった。1年PFS率は、ニボルマブ+化学療法群27%、化学療法群8%だった。奏効が1年以上持続した患者は、ニボルマブ+化学療法群33%、化学療法群は計算不能(NC)だった。

 一方、TMBが低レベル(10mut/Mb未満)の場合、ニボルマブ+化学療法群でPFSのベネフィットは得られないことが示唆された。PFS中央値は、ニボルマブ+化学療法群4.7カ月、化学療法群4.7カ月、ハザード比0.87(95%信頼区間:0.57-1.33)だった。1年PFS率は、ニボルマブ+化学療法群18%、化学療法群16%だった。

 ニボルマブ+イピリムマブ群では、腫瘍のPD-L1の発現が1%未満でTMBが高レベルの場合、PFS中央値は7.7カ月、化学療法群に対するハザード比は0.48(95%信頼区間:0.27-0.65)、1年PFS率は45%だった。奏効期間中央値は未到達、奏効期間が1年以上持続した患者は93%に上った。TMBが低レベルの場合、このようなベネフィットはみられなかった。

 治療中止に至った治療関連有害事象は、全グレードではニボルマブ+化学療法群13%、化学療法群14%、グレード3または4の事象はそれぞれ8%、9%に発現した。グレード3または4の有害事象で、ニボルマブ+化学療法群で多く観察されたのは、貧血や好中球減少症などだった。皮膚毒性はニボルマブ+イピリムマブ群よりも少なく、グレードも低かった。

 Borghaei氏は「TMB検査は、免疫チェックポイント阻害薬2剤を併用する際だけでなく、免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用に患者を選択する際にも、臨床的に関連性を持つ可能性がある」と話した。

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