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2018/6/14

既治療ALK転座陽性進行NSCLCに対し第3世代ALK阻害薬lorlatinibが有望【ASCO2018】

横山勇生=編集委員

 既治療のALK転座陽性進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対して、第3世代ALK阻害薬lorlatinibが有望なことが明らかとなった。進行中の多施設オープンラベル単群フェーズ2試験で、既治療の患者でも十分な抗腫瘍効果を示し、副作用は用量調整や支持療法で管理可能で忍容性が認められた。また、頭蓋内の抗腫瘍効果も高かった。6月1日から5日まで米シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で、フランスGustave Roussy Cancer Campus and University Paris-SudのBenjamin Besse氏によって発表された。

 進行中のフェーズ2試験には、ALK転座陽性またはROS1転座陽性の進行NSCLC患者275人(脳転移のある患者とない患者のどちらも含む)が登録された。前治療によってALK転座陽性患者は拡大コホート(EXP)1から5のコホート、ROS1陽性患者はEXP6コホートに分けられた。lorlatinibの開始用量は1日100mgだった。mRECIST v1.1を用いた独立中央審査で抗腫瘍効果、安全性とバイオマーカーの評価が行われた。

 EXP1は前治療を受けたことのない患者、EXP2は前治療がクリゾチニブのみの患者、EXP3Aは前治療がクリゾチニブと化学療法の患者、EXP3Bは前治療が1種類の第2世代ALK阻害薬±化学療法の患者、EXP4は前治療が2種類のALK阻害薬±化学療法の患者、EXP5は前治療が3種類のALK阻害薬±化学療法の患者とされた。

 今回発表されたのは、2018年2月2日をデータカットオフとしたもの。EXP1から6を合わせて275人が投薬を受け、そのうち既治療のALK転座陽性患者は198人で(66%が脳転移あり)、前治療がクリゾチニブ±化学療法群(EXP2-3A、59人)、前治療がクリゾチニブ以外のALK阻害薬±化学療法群(EXP3B、28人)、2種類以上のALK阻害薬±化学療法群(EXP4-5、111人)の3群に分けて、抗腫瘍効果の評価が行われた。

 EXP1の奏効率は90.0%(95%信頼区間:73.5-97.9)で、ベースラインで脳転移があった8人で、頭蓋内奏効率は75.0%(95%信頼区間:34.9-96.8)だった。

 前治療があったALK転座陽性患者に対するlorlatinibの投与は、全身と頭蓋内のどちらでも急速かつ持続的な抗腫瘍効果を発揮した。前治療がクリゾチニブ±化学療法群(EXP2-3A)の奏効率は72.9%(95%信頼区間:59.7-83.6)、奏効期間(DOR)中央値は未到達(95%信頼区間:8.4-NR)、無増悪生存期間(PFS)中央値は11.1カ月(95%信頼区間:8.2-NR)だった。前治療がクリゾチニブ以外のALK阻害薬±化学療法群(EXP3B)の奏効率は42.9%(95%信頼区間:24.5-62.8)、DOR中央値は5.6カ月(95%信頼区間:4.2-NR)、PFS中央値は5.5カ月(95%信頼区間:2.9-8.2)だった。2種類以上のALK阻害薬±化学療法群(EXP4-5)の奏効率は39.6%(95%信頼区間:30.5-49.4)、DOR中央値は9.9カ月(95%信頼区間:5.7-24.4)、PFS中央値は6.9カ月(95%信頼区間:5.4-9.5)だった。

 頭蓋内奏効率(全体)は、クリゾチニブ±化学療法群(EXP2-3A、37人)が70.3%(95%信頼区間:53.0-84.1)、前治療がクリゾチニブ以外のALK阻害薬±化学療法群(EXP3B、13人)が46.2%(95%信頼区間:19.2-74.9)、2種類以上のALK阻害薬±化学療法群(EXP4-5、81人)が48.1%(95%信頼区間:36.9-59.5)だった。

 頭蓋内奏効率(測定可能病変を少なくとも1つ有する患者)は、クリゾチニブ±化学療法群(EXP2-3A、24人)が87.5%(95%信頼区間:67.6-97.3)、前治療がクリゾチニブ以外のALK阻害薬±化学療法群(EXP3B、9人)が66.7%(95%信頼区間:29.9-92.5)、2種類以上のALK阻害薬±化学療法群(EXP4-5、48人)が52.1%(95%信頼区間:37.2-66.7)だった。

 1種類以上の第2世代ALK阻害薬の投与を受けた患者は139人存在した。1つ前の治療が第2世代のALK阻害薬だった患者であってもlorlatinibの抗腫瘍効果が認められた。

 1つ前の治療がアレクチニブだった患者全体(62人)での奏効率は40.3%(95%信頼区間:28.1-53.6)、DOR中央値は5.6カ月(95%信頼区間:4.2-24.4)、PFS中央値は5.5カ月(95%信頼区間:4.1-7.1)だった。脳転移があった37人での頭蓋内奏効率は40.5%(95%信頼区間:24.8-57.9)、頭蓋内奏効期間中央値は11.6カ月(95%信頼区間:6.9-14.5)だった。

 1つ前の治療がセリチニブだった患者全体(47人)での奏効率は42.6%(95%信頼区間:28.3-57.8)、DOR中央値は6.9カ月(95%信頼区間:5.6-NR)、PFS中央値は7.3カ月(95%信頼区間:5.5-11.1)だった。脳転移があった35人での頭蓋内奏効率は54.3%(95%信頼区間:36.6-71.2)、頭蓋内奏効期間中央値は未到達(95%信頼区間:6.0-NR)だった。

 1つ前の治療がbrigatinibだった患者全体(8人)での奏効率は37.5%(95%信頼区間:8.5-75.5)だった。脳転移があった5人での頭蓋内奏効率は40.0%(95%信頼区間:5.3-85.3)だった。

 既治療のALK転座陽性患者で、ベースラインでの血漿検体が得られた190人について解析したところ、45人(24%)で1つ以上のALKキナーゼドメインの変異が検出できた。全体で75のALK変異(ユニーク変異は27)が検出され、G1202R/delが最も高い頻度(25%)で認められた。F1174C/L/Vが15%、L1196Mが15%だった。ALK抵抗性変異が同定された患者で、lorlatinibの抗腫瘍効果は幅広く認められ、奏効率は64.4%だった。また、cfDNAでALK変異が同定されなかった139人のうち、63人(45%)でlorlatinibの抗腫瘍効果が確認された。

 多く認められた治療関連副作用は、高コレステロール血症(84%)、高トリグリセリド血症(67%)だったが、主にグレード1か2で既存薬の投与や投与量の調節で管理できた。体重増加について評価された262人のうち、ベースラインから10%-20%の増加があったのは77人(29%)、20%以上は51人(19%)だった。23%の患者で体重増加が治療関連副作用として報告された。

 治療関連副作用でlorlatinibの1時的な中断は93人(34%)、減量は68人(25%)に起きた。副作用で完全に中止となったのは9人(3.3%)だけで、治療関連死はなかった。

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