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2018/6/14

PD-L1発現1%以上のNSCLC1次治療でのペムブロリズマブのOS延長効果、発現50%以上の患者の結果が大きく影響【ASCO2018】

横山勇生=編集委員

 PD-L1が腫瘍細胞の少なくとも1%以上(TPS1%以上)に発現している進行または転移を有する非小細胞肺癌(NSCLC)の1次治療として、抗PD-1抗体ペムブロリズマブの単剤が全生存期間(OS)を有意に延長することを示したフェーズ3試験KEYNOTE-042の詳細な結果が明らかになった。PD-L1の発現1%以上の患者全体でOSの延長が認められたが、これは発現50%以上の患者の結果が強く反映されたものだった。発現が1から49%の患者では有意な差とはなっていなかった。

 また、今回の解析では無増悪生存期間(PFS)について有意な差はなかった一方で、奏効期間(DOR)は発現1%以上の患者でペムブロリズマブ単剤の方が大幅に長く、副作用の頻度は軽度だった。

 6月1日から5日まで米シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)のプレナリーセッションで、米Sylvester Comprehensive Cancer CenterのGilberto Lopes氏によって発表された。

 KEYNOTE-042試験は、PD-L1発現がTPS 1%以上の進行または転移を有するNSCLCの1次治療として、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ単剤と白金系抗癌剤併用療法とを比較した、国際無作為化オープンラベルフェーズ3試験。対象は、EGFR変異やALK転座がなく、進行癌に対する全身療法を受けたことのない患者だった。

 主要評価項目はOS。当初の規定通り、まずTPS 50以上の患者で評価し、次に20以上、最後に全体である1以上の患者と、連続的に評価を行った。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)と奏効率だった。

 試験には1274人が参加、ペムブロリズマブ単剤投与群(637人、3週おきに200mg投与、最長で35回まで)と白金系抗癌剤併用群(637人、3週おきにカルボプラチンAUC 5または6mg/mL/minとパクリタキセル200mg/m2投与を最長6サイクルまたは3週おきにカルボプラチンAUC 5または6mg/mL/minとペメトレキセド500mg/m2投与を最長6サイクル。非扁平上皮癌の場合は、ペメトレキセドの維持療法を行うことが強く勧められていた)に1対1で割り付けられた。患者は、地域(東アジアとその他)、ECOG PS(0と1)、組織型(扁平上皮癌と非扁平上皮癌)、TPS(50%以上と1%から49%)で層別化されていた。なお、この試験では化学療法群のペムブロリズマブ投与へのクロスオーバーは認められていなかった。

 東アジアで登録された患者は、ペムブロリズマブ単剤投与群で29.0%、白金系抗癌剤併用群で29.0%だった。PS 1は、ペムブロリズマブ単剤投与群で68.9%、白金系抗癌剤併用群の69.9%、扁平上皮癌はペムブロリズマブ単剤投与群の38.1%、白金系抗癌剤併用群の39.1%、TPS50%以上はがペムブロリズマブ単剤投与群の46.9%、白金系抗癌剤併用群の47.1%だった。TPS20%から49%がペムブロリズマブ単剤投与群の17.9%、白金系抗癌剤併用群の16.5%、TPS1%から19%がペムブロリズマブ単剤投与群の35.2%、白金系抗癌剤併用群の36.4%だった。

 データカットオフは2018年2月26日。ペムブロリズマブ単剤投与群は、投薬を受けた636人のうち、ペムブロリズマブが継続投与されていたのが87人、35サイクルを完了したのが42人、中止となったのが507人だった。白金系抗癌剤併用群は、投薬を受けた615人(52.3%が非扁平上皮癌でペメトレキセドの維持療法を受けた)のうち、30人がペメトレキセドの維持療法を受けており、160人が6サイクルを完了していた。中止となったのは、425人だった。

 試験の結果、TPSが50%以上の患者のOSは、中央値がペムブロリズマブ単剤投与群(299人)で20.0カ月(95%信頼区間:15.4-24.9)、白金系抗癌剤併用群(300人)で12.2カ月(95%信頼区間:10.4-14.2)、ハザード比0.69(95%信頼区間:0.56-0.85)、p=0.0003だった。24カ月OS率は、ペムブロリズマブ単剤投与群が44.7%、白金系抗癌剤併用群が30.1%だった。

 TPSが20%以上の患者のOSは、中央値がペムブロリズマブ単剤投与群(413人)で17.7カ月(95%信頼区間:15.3-22.1)、白金系抗癌剤併用群(405人)で13.0カ月(95%信頼区間:11.6-15.3)、ハザード比0.77(95%信頼区間:0.64-0.92)、p=0.0020だった。24カ月OS率は、ペムブロリズマブ単剤投与群が40.5%、白金系抗癌剤併用群が29.6%だった。

 TPSが1%以上の患者のOSは、中央値がペムブロリズマブ単剤投与群(637人)で16.7カ月(95%信頼区間:13.9-19.7)、白金系抗癌剤併用群(637人)で12.1カ月(95%信頼区間:11.3-13.3)、ハザード比0.81(95%信頼区間:0.71-0.93)、p=0.0018だった。24カ月OS率は、ペムブロリズマブ単剤投与群が39.3%、白金系抗癌剤併用群が28.0%だった。

 いずれの場合も事前に規定したp値を下回り、統計学的に有意にペムブロリズマブ単剤投与群が優れていた。ただし、OSのカプランマイヤー曲線はいずれも途中で交差していた。

 TPSが1%から49%の患者のOSは、中央値がペムブロリズマブ単剤投与群で13.4カ月(95%信頼区間:10.7-18.2)、白金系抗癌剤併用群で12.1カ月(95%信頼区間:11.0-14.0)、ハザード比0.92(95%信頼区間:0.77-1.11)で有意な差はなかった。24カ月OS率は、ペムブロリズマブ単剤投与群が34.6%、白金系抗癌剤併用群が26.5%だった。

 TPSが1%以上の患者のPFSは、中央値がペムブロリズマブ単剤投与群で5.4カ月(95%信頼区間:4.3-6.2)、白金系抗癌剤併用群で6.5カ月(95%信頼区間:6.3-7.0)、ハザード比1.07(95%信頼区間:0.94-1.21)で有意な差はなかった。TPSが1%以上の患者の奏効率もペムブロリズマブ単剤投与群が27.3%、白金系抗癌剤併用群が26.5%とほぼ同じだった。PFS、奏効率ともTPS50 %以上の患者であれば、ペムブロリズマブ単剤投与群の方が良い結果だった。

 一方、DORは、発現1%以上の患者で中央値がペムブロリズマブ単剤投与群で20.2カ月(95%信頼区間:2.1+-31.2+)、白金系抗癌剤併用群で8.3カ月(95%信頼区間:1.8+-28.1)、18カ月DOR率がペムブロリズマブ単剤投与群が53.4%、白金系抗癌剤併用群が30.4%で、大きな差があった。

 グレード3-5の副作用の発現は、ペムブロリズマブ単剤投与群が17.8%、白金系抗癌剤併用群が41.0%で、ペムブロリズマブ単剤投与群の方が少なかった。

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