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2018/6/12

HR陽性HER2陰性進行乳癌に対するパルボシクリブ+内分泌療法の有用性を確認、PALOMA2、3試験の合同解析【ASCO2018】

森下紀代美=医学ライター

 ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性の進行乳癌患者において、パルボシクリブと内分泌療法の併用は、ベースラインからの無病期間(DFI)や無治療期間(TFI)の長さ、初回診断時または再発時のLuminalのサブタイプに関わらず、PFSが延長することがわかった。この結果は、PALOMA2試験PALOMA3試験の長期追跡結果を用いた合同解析(joint analysis)で示された。6月1日から5日まで米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で、米国David Geffen School of Medicine at University of CaliforniaのRichard S. Finn氏が発表した。

 PALOMA2試験とPALOMA3試験では、HR陽性HER2陰性の進行乳癌患者の無増悪生存期間(PFS)は、内分泌療法のみと比べて、パルボシクリブと内分泌療法の併用により有意に改善することが示されている。

 Finn氏らは、術前/術後療法を受けた患者を対象に、外挿したデータの分析を行い、PALOMA3試験では最初のDFI、PALOMA2試験ではTFIがPFSの転帰に及ぼす影響を評価した。

 PALOMA3試験には内分泌療法後に進行した閉経前・閉経後の患者521人、PALOMA2試験には転移に対する治療歴がない閉経後の患者666人がそれぞれ登録された。患者は、内分泌療法(フルベストラント500mgを1サイクル目は1日目と15日目、以降は28日毎、またはレトロゾール2.5mg/日)との併用で、パルボシクリブ125mg/日の3週投与・1週休薬(パルボシクリブ群)またはプラセボの投与を行う群(プラセボ群)に、ランダムに割り付けられた。

 追跡期間中央値は、PALOMA3試験はパルボシクリブ群15.8カ月、プラセボ群15.3カ月(カットオフ日2015年10月23日)、PALOMA2試験はそれぞれ37.6カ月、37.3カ月(2017年5月31日)だった。PALOMA3試験のDFIは最初の乳癌の診断から再発まで、PALOMA2試験のTFIは術後療法の終了から再発までの期間とした。STEPP解析により、各試験について、DFIまたはTFIとパルボシクリブ群またはプラセボ群のPFSの転帰との相関を評価した。Luminalのサブタイプの判定には、再発/新規病変のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を用いた。またHTG Molecular Diagnostics社のEdgeSeq Oncology Biomarker Panel を用いた遺伝子発現プロファイリングで、Luminal A、Bのサブタイプを評価した。

 PALOMA2試験では、術後補助療法を受けた患者はパルボシクリブ群277人、プラセボ群141人で、計418人(62.8%)がTFIの解析対象となった。

 STEPP解析から、術後療法を受けた全対象、術後療法を受けた患者で内臓転移がある症例または内臓転移がない症例において、TFIはパルボシクリブによる治療効果(PFS)に影響しないことが示唆された。パルボシクリブ群では、TFIが1年以下の患者は35.4%、1年を超え2年以下の患者は9.0%、2年を超え5年以下の患者は23.1%、5年を超える患者は32.5%、TFI中央値は37.1カ月だった。プラセボ群では、それぞれ34.0%、11.3%、22.0%、32.6%、30.9カ月だった。

 Luminalタイプの患者では、サブタイプがAまたはBに関わらず、パルボシクリブとレトロゾールの併用により、PFSにベネフィットが得られることが示された。Luminal Aの患者のPFS中央値は、パルボシクリブ群(152人)30.4カ月、プラセボ群(77人)17.0カ月、ハザード比0.55(95%信頼区間:0.39-0.77)、p=0.000547となった。Luminal Bの患者のPFS中央値は、パルボシクリブ群(89人)19.6カ月、プラセボ群(46人)11.0カ月、ハザード比0.51(95%信頼区間:0.34-0.77)、p=0.00109となった。

 PALOMA3試験では、術後療法を受けた患者はパルボシクリブ群232人、プラセボ群123人で、計355人(68.1%)がDFIの解析対象となった。STEPP解析から、DFIは、内臓転移の有無に関わらず、術後療法を受けた全対象において、パルボシクリブによるPFSに影響しないことが示唆された。パルボシクリブ群では、DFIが1年以下の患者は4.3%、1年を超え2年以下の患者は12.9%、2年を超え5年以下の患者は43.5%、5年を超え10年以下の患者は22.8%、10年を超える患者は15.9%、DFI中央値は49.2カ月だった。プラセボ群では、それぞれ2.4%、15.4%、39.8%、27.6%、14.6%、52.0カ月だった。

 Luminalタイプの患者では、サブタイプがAまたはBに関わらず、パルボシクリブとフルベストラントの併用により、PFSにベネフィットが得られることが示された。Luminal Aの患者のPFS中央値は、パルボシクリブ群(31人)13.9カ月、プラセボ群(21人)3.5カ月、ハザード比0.23(95%信頼区間:0.11-0.41)、p=0.0000158となった。Luminal Bの患者のPFS中央値は、パルボシクリブ群(32人)9.5カ月、プラセボ群(15人)2.0カ月、ハザード比0.26(95%信頼区間:0.12-0.56)、p=0.000269となった。

 Finn氏らは「これらのデータは、HR陽性HER2陰性進行乳癌患者に対し、ベースラインのTFI/DFI、初回診断時または再発時の内因性サブタイプに関わらず、標準治療としてのパルボシクリブと内分泌療法の併用を強く裏付けるもの」としている。

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