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2018/6/12

乳癌や肺癌患者の癌性髄膜炎にペムブロリズマブは安全に投与でき効果も有望【ASCO2018】

八倉巻尚子=医学ライター

 乳癌や肺癌などの固形癌で癌性髄膜炎髄膜癌腫症)を来した患者に対し、ペムブロリズマブは安全で、有効性も認められることが、フェーズ2試験で明らかになった。米Massachusetts General HospitalのPriscilla K. Brastianos氏らが、6月1日から5日までシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で発表した。

 癌性髄膜炎は癌患者のおよそ5%に認められ、主に乳癌や悪性黒色腫、肺癌で見られる。未治療の場合、生存期間中央値はおよそ4-6週間といわれているが、効果的な治療法がなかった。そこで固形癌から癌性髄膜炎を来した患者においてペムブロリズマブのフェーズ2試験が実施された。

 組織学的あるいは細胞学的に固形癌からの病変で、細胞診で癌性髄膜炎と診断されたECOG PS 2以下の患者を対象に、ペムブロリズマブは3週おきに投与された。主要評価項目は3カ月時点の生存割合とした。試験はSimonの2段階デザインで行われた。第1段階に10人が登録し、3カ月時点で2人以上が生存していた場合、さらに8人を追加で登録する。3カ月で計18人のうち6人以上が生存していたとき治療はそのコホートで有望であるとみなされる。

 合計で20人が登録し、女性が19人、17人は乳癌、2人は肺癌、1人は胃癌であった。乳癌患者のうちHER2陽性が7人、ホルモン受容体陽性が11人だった。前治療として放射線療法を受けていた患者は17人、手術が16人、全身療法は20人が受けていた。

 18人は少なくとも1回以上はペムブロリズマブによる治療を受けた。12人は病勢進行により治療を中止し、3人は同意撤回、2人は死亡、1人はグレード3の肝毒性で治療を中止した。
 
 登録から3カ月の時点で11人が生存していた。3カ月生存割合は0.61(90%信頼区間:0.24-0.66)となった。そのため試験の主要評価項目に達した。全生存期間中央値は3.6カ月(90%信頼区間:2.6-5.2)となった。

 iRANO(Immunotherapy Response Assessment in Neuro-Oncology)基準に基づく、治療中の頭蓋内の効果は、PDが18人中6人(33.3%)、SDが9人(50%)で、3人は評価できなかった。頭蓋外の効果はRECIST v1.1で評価され、PDが5人(27.8%)、SDが7人(38.9%)、6人は評価できなかった。

 グレード3以上の有害事象は、器官別の大分類で、一般・全身障害および投与部位の状態(3人)、臨床検査(4人)、筋骨格系および結合組織障害(2人)、神経系障害(4人)、さらに呼吸器、胸郭および縦隔障害(1人)が認められた。またグレード3の神経系の有害事象として、頭痛(2人)、眠気(1人)、失神(1人)が見られた。

 組織検体および脳脊髄液(CSF)と血液からの遊離DNAの全エクソーム解析、ならびにシングルセルRNAシークエンスを行い、腫瘍および免疫系の変化を調べた。その結果、治療前に比べて治療後は腫瘍細胞が減少し、免疫系の細胞が増えていることが確認された。

 以上のことから、癌性髄膜炎患者において、ペムブロリズマブは安全で、有効性も有望であることが示されたとした。また脳脊髄液は癌性髄膜炎の腫瘍のクローン進化や免疫微小環境をモニタリングする上で有用であるとした。癌性髄膜炎に対して、抗CTLA-4抗体と抗PD-1抗体を併用するフェーズ2試験も実施されている。

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