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2018/5/17

乳癌診療ガイドライン2018年版が発刊、患者と相談し介入を決定するツールに

横山勇生=編集委員

 日本乳癌学会は5月16日、乳癌診療ガイドライン2018年版を発刊した。

 ガイドライン作成委員会委員長を務めた愛知県がんセンター中央病院の岩田広治氏は、16日から京都で開催された第26回乳癌学会の冒頭に行われたセッション「乳癌診療ガイドライン改訂のポイント」で、従来のガイドラインは「ある問題に対して、こうするべきだという道標のような意味合いが強かった」とし、「改訂ガイドラインは、いくつか選択肢がある中で、患者さんと相談をして、介入を決定する際に参考にしてほしいツールである」と新旧ガイドラインの違いを示した。さらに「今までよりも、医師・患者のshared decision making の重要性を考慮し、日本の乳癌診療が成熟し次のステップに入ったことによるガイドラインであるともいえる」と話した。

 乳癌診療ガイドライン2018年版は、Minds診療ガイドライン作成マニュアル2014に沿って改訂された。生存期間などの「益」と副作用などの「害」のバランスを考慮した手法を取り込んだ。各クリニカルクエスチョン(CQ)に対して3〜7つのアウトカムを設定し、それぞれのアウトカムに沿って検討を行い、益と害の総体として推奨を決めた。また各エビデンスのアウトカム評価は、それぞれの文献のデータを基に独自にメタ解析を行って検討した。推奨の強さは、看護師1人、薬剤師1人、患者代表2人を含む全12人の推奨決定会議で決められた。

 ガイドラインは、外科療法、薬物療法、放射線療法、疫学・予防、検診・画像診断、病理診断の各項目別に、それぞれ総説、バックグラウンドクエスチョン(BQ)、CQ、フューチャークエスチョン(FQ)から構成されている。BQは、エビデンスに基づいて必ず行うべき診療で改めてCQにすべき内容でないもの、これ以上データが出てこない内容。CQは、臨床でどのような介入をしたらよいのか迷うような問題、文献検索、システマティックレビューを行い、推奨会議で推奨の強さを決定するもの。FQは、まだデータが不十分であり、CQで議論ができないが、今後CQとして議論すべき内容のものとされている。

 推奨決定会議には全部で26時間が費やされ、105のCQについて131回の投票が行われた。投票の結果の賛成率やメタ解析の結果もガイドラインには記載されている。

 推奨の強さは4段階とされ、推奨1が行うことを強く推奨する(行うことが強く勧められると読み替えることもできる、前版の推奨グレードAに相当)、推奨2が行うことを弱く推奨する(必ず行うということではなく、益と害のバランスおよび患者の価値観など、現場で相談して、どちらかというと行うことを進める、前版の推奨グレードB、C1に相当)、推奨度3が行わないことを弱く推奨する(弱く推奨する裏返しであり、益と害のバランスおよび患者の価値観などから、どちらかというと行わないことを進める、前版の推奨グレードC2に相当)、推奨度4が行わないことを強く推奨する(害が大幅に益を上回り、行わないことを強く勧める、前版の推奨グレードDに相当)とされている。

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