このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2018/4/20

BRCA遺伝子変異を持つHER2陰性転移性乳癌へのオラパリブ投与はOSを延長する傾向【AACR2018】

横山勇生=編集委員

 生殖細胞系BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移性乳癌に対して、PARP阻害薬であるオラパリブの単剤投与は、化学療法よりも無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長することを示したフェーズ3試験、OlympiADの全生存期間(OS)に関する最終結果が明らかとなった。統計学的に有意ではないが、オラパリブ投与群で長かった。4月14日から18日までシカゴで開催されているAmerican Association for Cancer Research(AACR2018)で、米Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのM. E. Robson氏によって発表された。

 OlympiAD試験は無作為化オープンラベルフェーズ3試験で、生殖細胞系BRCA1またはBRCA2遺伝子変異を有するHER2陰性転移性乳癌患者を対象に行われた。転移癌に対する化学療法歴数が2以下の患者が、オラパリブ群(1日2回300mgを経口投与)と医師選択化学療法群(カペシタビン、ビノレルビン もしくはエリブリンのいずれか1つ。21日間を1サイクルとして、カペシタビンの場合は1日目から14日目まで2500mg/m2を投与、ビノレルビンの場合は1日目と8日目に30mg/m2を投与、エリブリンの場合は1日目と8日目に1.4mg/m2を投与)に2対1で割りつけられた。投薬は病勢が進行するか忍容不能な副作用が発現するまで行われた。主要評価項目は、盲検化された独立中央判定委員会によるPFSだった。

 試験には302人が登録され、オラパリブ群は205人、医師選択化学療法群は91人が投薬を受けた。患者は化学療法歴の有無、白金系抗癌剤投与歴の有無、受容体の状態(エストロゲン受容体陽性かつ/またはプロゲステロン受容体陽性とトリプルネガティブ)で層別化されていた。

 OSの最終解析のデータカットオフは2017年9月25日。最終解析時に302人中192人が死亡していた。観察期間中央値は、オラパリブ群が18.9カ月、医師選択化学療法群が15.5カ月だった。OS中央値は、オラパリブ群が19.3カ月、医師選択化学療法群が17.1カ月。ハザード比0.90(95%信頼区間:0.66-1.23)、p=0.513で有意ではなかったがオラパリブ群の方が長かった。6カ月OS率は、オラパリブ群が93.1%、医師選択化学療法群が85.8%、18カ月OS率は、オラパリブ群が54.1%、医師選択化学療法群が48.0%だった。

 サブグループ解析の結果、化学療法歴のない患者でオラパリブ群のOS延長効果が高かった。OS中央値は、オラパリブ群が22.6カ月、医師選択化学療法群が14.7カ月。ハザード比0.51(95%信頼区間:0.29-0.90)、p=0.02を示した。

 化学療法歴のある患者において、オラパリブ群の医師選択化学療法群に対するOSのハザード比は1.13(95%信頼区間:0.79-1.64)、p=0.52だった。

 ホルモン受容体陽性患者において、オラパリブ群の医師選択化学療法群に対するOSのハザード比は0.86(95%信頼区間:0.55-1.36)、p=NS、トリプルネガティブ患者において、オラパリブ群の化学療法群に対するOSのハザード比は0.93(95%信頼区間:0.62-1.43)、p=NSだった。

 白金系抗癌剤の治療歴がある患者において、オラパリブ群の医師選択化学療法群に対するOSのハザード比は0.83(95%信頼区間:0.49-1.45)、p=NS、治療歴がない患者においてオラパリブ群の化学療法群に対するOSのハザード比は0.91(95%信頼区間:0.64-1.33)、p=NSだった。

 オラパリブ群と比べて、医師選択化学療法群は次治療(PARP阻害薬、細胞傷害性抗癌剤、白金系抗癌剤、ホルモン療法)を多く受けていた。

 なお、OlympiAD試験はOSの差を検出できる設計にはなっていなかった。

 安全性に関する延長解析の結果、グレード3以上の副作用が報告されたのは、オラパリブ群で38.0%、医師選択化学療法群で49.5%で、PFSの主解析の時とほとんど同じだった。安全性プロファイルは主解析の時と一致しており、長く投与されることと蓄積毒性に関係はなかった。

この記事を友達に伝える印刷用ページ