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2018/4/17

非小細胞癌の1次治療でオシメルチニブは標準薬と同様に肺癌症状とQOLを改善【ELCC2018】

八倉巻尚子=医学ライター

 EGFR変異陽性非小細胞癌に対する1次治療として、第3世代EGFR-TKIであるオシメルチニブは、標準治療薬である第1世代EGFR-TKIと同様に、咳などの肺癌症状とQOLを改善することが、フェーズ3試験FLAURAの患者報告アウトカム(PROs)の解析で明らかになった。4月11日から14日までスイス・ジュネーブで開催されたEuropean Lung Cancer Conference(ELCC2018)で、カナダPrincess Margaret Cancer CentreのNatasha B Leighl氏らが発表した。

 FLAURA試験は、30カ国556人を対象に行われた無作為化比較フェーズ3試験。EGFR変異陽性非小細胞癌に対する1次治療として、オシメルチニブは第1世代EGFR-TKI(ゲフィチニブあるいはエルロチニブ)に比べて、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが報告されている(Soria JC, et al. N Engl J Med 2018; 378:113-125)。PFS中央値はオシメルチニブ群18.9カ月、標準治療群10.2カ月、ハザード比0.46、p<0.0001だった。安全性プロファイルは2群でほぼ同等だが、オシメルチニブのほうがグレード3以上の有害事象の発現頻度は低かった。

 今回報告されたPROsでは、QOLについてEORTC (European Organisation for Research and Treatment of Cancer)QLQ-C30(Quality of Life Questionnaire Core 30 items)を用い、ベースライン時と6週間ごとに評価した。また肺癌に特徴的な症状や治療関連の副作用について、QLQ-LC13(Lung Cancer 13 items)で、ベースライン時ならびに6週間は週1回、その後は3週おきに評価した。

 評価スコアは0から100で表され、10ポイント以上の違いがあったときに臨床的に意義のある変化であるとした。また咳、呼吸困難、胸痛、食欲低下、疲労を主要な症状として検討した。

 QLQ-C30とQLQ-LC13のコンプライアンスは両群ともほとんどの評価時点で70%を超えていた。ベースライン時にQLQ-LC13を完答したのはオシメルチニブ群90.8%、標準治療群92.0% 、QLQ-C30はそれぞれ95.2%、94.1%だった。またベースライン時のQLQ-C30およびQLQ-LC13のスコアは2群間で大きな違いはなかった。

 主要な症状について、ベースライン時から試験治療の中止までのスコアを比較した結果、5つの症状は両群ともに改善していた。しかしスコアの平均変化量が臨床的意義のある改善を示したのはオシメルチニブ群における咳のみであった(調整平均値-10.14ポイント)。咳の改善は両群とも1週目から認められ(オシメルチニブ群-6.6、標準治療群-4.9)、治療中止まで維持された。

 2群間比較で、胸痛はオシメルチニブ群のほうが有意に改善したが、その他の症状は2群で有意な違いはなかった。さらに5つの症状に関し、試験治療中止までに臨床的意義のある改善を示した患者の割合は30-50%程度であり、その割合は2群で同等だった。

 QOLについては、QLQ-C30の全般的健康状態、身体機能、役割機能、情緒機能、社会機能のスコアは両群とも改善していた。情緒機能と社会機能はオシメルチニブ群が標準治療群よりも有意に改善した。認知機能はオシメルチニブ群では維持されていたが、標準治療群では低下した。ただし、いずれの項目も臨床的意義のある改善は見られなかった。

 また、主要な症状に関し、無作為化から初回臨床的意義のある悪化までの期間中央値は2群で類似しており、95%信頼区間は重なっていた。各症状の中央値は、咳ではオシメルチニブ群は達しておらず、標準治療群は13.08カ月、呼吸困難はそれぞれ2.79カ月、4.14カ月、胸痛はオシメルチニブ群21.36カ月、標準治療群は中央値に達していない。疲労はそれぞれ6.87カ月、8.25カ月、食欲低下ではオシメルチニブ群は中央値に達しておらず、標準治療群は15.24カ月だった。

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