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2018/4/17

ALK陽性NSCLCの1次治療としてアレクチニブは症状を持続的に改善、ALEX試験の患者報告アウトカム【ELCC2018】

森下紀代美=医学ライター

 ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)に対する1次治療として、アレクチニブはクリゾチニブと比べて健康関連QOLと肺癌に関連する症状を改善する効果が長く持続することが、フェーズ3のALEX試験の患者報告アウトカム(PRO)の解析からわかった。4月11日から14日までスイス・ジュネーブで開催されたEuropean Lung Cancer Congress(ELCC 2018)で、フランス Leon Berard Cancer CenterのMaurice Perol氏が発表した。

 ALEX試験は、ALK融合遺伝子陽性NSCLC患者303人を対象に、1次治療としてアレクチニブ(600mg、1日2回)とクリゾチニブ(250mg、1日2回)を直接比較した国際共同、非盲検のランダム化比較試験。

 主要解析の結果は、2017年6月の米国臨床腫瘍学会(ASC2017)で発表され、主要評価項目である試験担当医の判定による無増悪生存期間(PFS)の中央値は、アレクチニブ群は未到達、クリゾチニブ群11.1カ月、ハザード比0.47(95%信頼区間:0.34-0.65)、p<0.001となり、アレクチニブ群で有意に延長した。中枢神経系(CNS)の転移病変に対する効果もアレクチニブ群で良好だった。アレクチニブの有効性は、日本で行われたJ-ALEX試験でも示されている。

 今回発表されたのはALEX試験におけるPROの結果で、アレクチニブ群とクリゾチニブ群の健康関連QOLと肺癌に関連する症状について解析が行われた。

 PROは、健康関連QOLを評価するEORTC QLQ-C30と、肺癌に特徴的な症状や治療の副作用の症状などを評価するEORTC QLQ-LC13の質問票を用いて集めた。患者は自宅で電子機器を利用して回答し、ベースライン、治療中は4週毎、治療中止時、さらに病勢進行後または治療終了後の1回以上の受診時に回答した。ベースラインと治療終了後に1回以上評価が可能だった患者をPROの評価対象とした。

 10点以上の点数の上昇または低下を臨床的に意義のある変化とした。事前に定めた評価項目は、健康関連QOLおよび肺癌に関連する症状の点数がベースラインから最初に10点以上悪化するまでの期間(time-to-deterioration:TTD)、ベースラインからの平均スコアの長期的な変化、治療中に臨床的に意義のある変化を認めた患者の割合だった。TTDの解析を除き、PROのデータは評価可能な対象が20%以下となった時点まで解析することとし、クリゾチニブ群では84週まで、アレクチニブ群では96週までとなった。

 ITT解析対象では、ベースラインで回答を完了したのはアレクチニブ群100人(65.8%)、クリゾチニブ群97人(64.2%)で、試験期間を通して60%以上の患者が回答していた。ベースラインの患者背景は両群でバランスがとれており、CNSに病変を認めた患者はアレクチニブ群38.0%、クリゾチニブ群40.2%、健康関連QOLも両群で同等だった。

 健康関連QOLについては、両群ともに、臨床的に意義のある改善が8週時から認められた。改善の持続期間は、アレクチニブ群ではクリゾチニブ群よりも長く、平均でそれぞれ88週と68週だった。

 肺癌に関連する症状についても、臨床的に意義のある改善はアレクチニブ群ではクリゾチニブ群よりも長く持続した。症状の改善が持続した期間は、咳嗽はそれぞれ96週と84週、胸痛は96週と80週、疲労感は96週と68週、他の部位の疼痛は96週と68週だった。

 肺癌に関連する症状で両群に差がみられ、アレクチニブ群で良好な傾向が示されたのは11カ月(45週)頃からであり、この数字はクリゾチニブ群のPFS中央値に近かった。また症状のうち、胸痛はアレクチニブ群では48週時で−3.5だったが、84週時では−8.61とより改善し、疲労感、胸痛、他の部位の疼痛でも同様のパターンが認められた。

 ただし、症状の改善はアレクチニブ群で長く持続していたものの、複合的な症状の評価項目(咳嗽、呼吸困難、胸痛)のTTD中央値は両群で同様となり、ハザード比1.10(95%信頼区間:0.72-1.68)だった。また呼吸困難のTTD中央値は、アレクチニブ群22.8カ月、クリゾチニブ群は未到達、ハザード比1.76(95%信頼区間:1.05-2.92)となった。

 治療に関連する一般的な症状については、アレクチニブ群で忍容性が高く、アレクチニブの安全性プロファイルと一致する結果だった。治療に関連する嘔気・嘔吐、下痢、食欲低下、嚥下困難、末梢神経障害について、臨床的に意義のある悪化を経験した患者は、84週間を通してアレクチニブ群ではクリゾチニブ群よりも少なかった。

 Perol氏は「PROのデータは、ALK融合遺伝子陽性NSCLCの患者の1次治療としてアレクチニブが新たな標準治療となることを裏付けるもの」としている。

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