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2017/12/26

治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫で新規CART療法bb2121は安全で持続的かつ深い奏効を示す【ASH2017】

八倉巻尚子=医学ライター

 前治療数が多い再発・難治性多発性骨髄腫患者に対し、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子改変T細胞療法(CART療法)bb2121は、管理可能な安全性プロファイルを示し、持続的で深い奏効を示すことが、多施設共同フェーズ1試験CRB-401で明らかになった。12月9日から12日までアトランタで開催された米国血液学会(ASH2017)で、米Sarah Cannon Research Institute/Tennessee OncologyのJesus G. Berdeja氏らが発表した。

 bb2121はBCMAを標的とする第2世代のCART療法。レンチウイルスベクターにより抗BCMAの単鎖可変領域を組み込んだCAR遺伝子を形質導入した自家T細胞からなる。BCMAは腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーに属し、骨髄腫細胞や形質細胞、一部の成熟B細胞に多く発現する。

 試験は、プロテアソーム阻害薬や免疫調整薬など3レジメン以上の治療歴がある再発・難治性多発性骨髄腫で、測定可能病変を有し、骨髄腫細胞にBCMAが50%以上発現、十分な臓器機能のある患者を対象とした。3+3デザインの用量漸増法で行われ、CAR-T細胞数50×106、150×106、450×106、800×106のコホートで検討された。患者の末梢血単核細胞からT細胞を採取して、CAR-T細胞bb2121を作製。フルダラビンとシクロホスファミドで3日間リンパ球を枯渇した後にbb2121を投与した。

 カットオフ(2017年10月2日)時点で、用量漸増コホートで21人が治療を受けた。フォローアップ期間中央値は35週。患者の年齢中央値は58歳(37-74歳)。男性が13人(62%)、多発性骨髄腫の診断からの期間中央値は4年(1.3-15.8年)、ECOG PS 0が10人、PS 1が11人。ISSステージIが6人、ステージIIが11人、ステージIIIが4人で、細胞遺伝学的な高リスク患者(del 17p、t(4;14)、t(14;16))が9人だった。前治療ライン数の中央値は7(3-14)、全員が自家幹細胞移植を受けていた。前治療薬はボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、レナリドミド、ポマリドミド、ダラツムマブだった。

 カットオフ時点で、用量制限毒性は見られなかった。

 治療関連有害事象は、サイトカイン放出症候群が15人(71%)で、2人はグレード3であったが、24時間で回復した。サイトカイン放出症候群に対し、4人はtocilizumab、1人はステロイドが投与された。このほかグレード3以上の有害事象は好中球減少症、血小板減少症、貧血が認められた。14人は1つ以上の重篤な有害事象(SAE)が見られた。また12人を追加して行われた拡大コホートで、可逆的なグレード4の神経毒性が認められた。

 5人が死亡し、3人はCAR-T細胞数50×106で病勢増悪による死亡、2人は心停止、投与中止後のMDS(骨髄異形成症候群)で死亡した。

 臨床効果が評価できたのはCAR-T細胞数150×106以上のコホートの18人。PR以上が17人で、奏効率 (ORR) は94%、VGPR以上は89%、CR/sCRは56%だった。1年以上にわたり効果が続いている患者も認められた。治療開始15カ月を過ぎてからVGPRがCRになるなど効果が改善するケースもあった。

 微少残存病変(MRD)が評価できた10人のうち陰性が9人だった。

 フォローアップ中央値40週で、最初の奏効までの期間中央値は1.02カ月、最良奏効までの期間中央値は3.74カ月、CRまでの期間中央値は3.84カ月だった。奏効期間中央値、PFS中央値には達していない。6カ月PFS率は81%、9カ月PFS率は71%であった。なお病勢増悪した4人のうち、評価できた3人では増悪時にBCMAは陽性だった。

 これらのことから、bb2121はCAR-T細胞数150-800×106で持続的な効果と深い奏効をもたらすとした。この結果を受け、再発・難治性多発性骨髄腫患者を対象としたbb2121のフェーズ2試験(Kar MMa)が開始されている。

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