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2017/12/25

EZH1とEZH2の二重阻害薬DS-3201bが非ホジキンリンパ腫に高い奏効率示す【ASH2017】

横山勇生

 ヒストンメチル化酵素EZH1とEZH2の二重阻害薬DS-3201bが、非ホジキンリンパ腫、特にT細胞性リンパ腫に有効である可能性が明らかとなった。進行中のフェーズ1試験で忍容性が確認され、少人数ではあるが高い抗腫瘍効果が確認された。現在、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)と末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を対象に投与量を1日1回200mgとした拡大コホートが実施されている。拡大コホートは9から10人を対象に行われる予定。12月9日から12日までアトランタで開催された米国血液学会(ASH2017)で、国立がん研究センター中央病院の丸山大氏によって発表された。

 2016年3月に国立がん研究センター、東京大学と第一三共が、DS-3201bについて、ATLを含む悪性リンパ腫患者を対象にしたフェーズ1試験を開始したと発表していた。EZH1/2は癌幹細胞の維持に必須な酵素として同定されていた。また、ATLの発症や進展にEZH1/2に依存的なエピゲノム異常があることが分かっていた。正常細胞に比べて、ATL細胞はEZH1/2によるエピゲノム変化に強く依存した細胞であることから、EZH1/2二重阻害が高感度で特異的にATL細胞の生存能を低下させることが分かっていた。

 今回発表されたのは2017年11月1日をデータカットオフとした用量漸増コホートのデータ。1日1回投与量が150mgが7人、200mgが9人、300mgが2人。全体で男性が8人(44%)、年齢中央値が67歳(44-75)、65歳以上が10人(56%)だった。濾胞性リンパ腫が5人、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が3人、MALT型リンパ腫が2人、節性辺縁帯リンパ腫(NMZL)が1人、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)が1人、 非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)が2人、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)が2人、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)が2人だった。前レジメン数1が5人(28%)、2が5人(28%)、4以上が8人(44%)だった。

 全員で用量制限毒性の評価が可能だった。データカットオフ時点で死亡は報告されていない。治療中に起きた用量制限毒性は4件で、グレード4の血小板減少が3件(200mg群で1人、300mg群で2人)、輸血が必要となったグレード3の貧血が1件(300mg群で1人)で、それぞれ一時的な投与中断となった。重篤な副作用は3人で5件発生したが、研究グループにより薬剤関連と判断されたのは、ニューモシスチス肺炎だけだった。ニューモシスチス肺炎発症後、感染症のリスクを考慮して、スルファメトキサゾール - トリメトプリムの予防投与が推奨された。

 抗腫瘍効果は完全寛解(CR)が1人(B細胞性リンパ腫0人、T細胞性リンパ腫1人)、部分寛解(PR)が9人(B細胞性リンパ腫5人、T細胞性リンパ腫4人)、病勢安定(SD)が4人(B細胞性リンパ腫4人、T細胞性リンパ腫0人)で、奏効率は58.8%だった。T細胞性リンパ腫6人のうち投与開始後すぐに増悪したATL患者1人以外の5人で効果が認められ、T細胞性リンパ腫に限ると奏効率は83.3%となった。また、スパイダープロットから抗腫瘍効果が持続的であることも認められた。

 DS-3201は、この試験に加え、急性骨髄性白血病(AML)および急性リンパ性白血病(ALL)患者を対象としたフェーズ1試験を米国で実施中である。

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